大嵜直人のブログ

文筆家・心理カウンセラー。死別や失恋、挫折といった喪失感から、つながりと安心感を取り戻すお手伝いをしております。

黄色、早春の色。

変化を見つめるというのは、ある種の愉悦である。

何かを育てることもそうだし、
目に見えない関係性の変化もそうだし、
あるいは、季節の移ろいを見つめることもそうだろう。

何気なく、外を歩いたとき。
目に入ってくる色、というものがある。

それは、自らの内の心もように依るのではあるが、やはり季節によって移ろいゆく色があるように思う。

早春の色は、やはり黄色のように感じる。

菜の花、水仙、チューリップ、タンポポ…
春に咲く花に、黄色が多いからだろうか。

今日も、ふと外を歩いていると、黄色が目に留まる。

立春から雨水に向かう時候、七十二候では、魚上氷/うおこおりをいずる。
冷たく張っていた川面の氷が割れ、その下で泳いでいた魚が跳ねあがるころ。

ほんのわずかに感じられた春の息吹は、確かな実感となって、目に見える変化をもたらすように。

春は、黄色からはじまる。

有名な、そんな言葉を思い出す。

落ち葉、枯れ葉の茶色、椿の白、あるいは赤。
どこか、モノトーンか、ビビッドという両極端なのが冬らしい色に感じるが、春はそれをぼんやりと和らげていくようだ。

冷たく肌を刺すような風も、いつしか輪郭のぼやけた温い感じがするように。

変化を愛でるのは、生きていることの喜びともいえる。

春は、もうすぐそこまで。

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