大嵜直人のブログ

文筆家・心理カウンセラー。死別や失恋、挫折といった喪失感から、つながりと安心感を取り戻すお手伝いをしております。

暮れゆく2020年。

クリスマスが終わってから、あわただしく年末に向かう空気感が、好きだ。
みな一様に、なにかに急き立てられるように、いそいそとしだす。

考えてみれば、12月31日と1月1日という年の切れ目は、単に誰かがそうしたというだけで、何かが変わるわけでもない。
それでも、この師走も押し迫ったあたりになると、「今年のうちに」「新年を迎えるために」という言葉が、どうもリアリティを持つものだ。

それでなくても、なんやらかんやらで、師走は忙しいのに。

買いだめをしなくても、最近は3が日も開けてくれるスーパーもあるし、
わざわざ一年で最も価格が暴騰する時期に、高級食材を食べなくてもいいし、
掃除も洗車もやらなくちゃでやるより、気づいたときに気持ちよくすればいいし、
別にこの時期じゃなくても、御礼を伝えたり近況を伝えればいいし、
いつでも帰省したり温泉に入ればいいし、
よい年でもそうでなくても、勝手に年は明けるし、
元旦じゃなくても、いつでも神様を詣でればいい…

それはたしかにそうなんだけど、なぜかそうしたがる。

人は、虚構と分かっていても、それが好きなのだ。

私自身はといえば、手帳を新しくする作業が、一番年の瀬を感じる。

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Googleカレンダーも、スケジュール管理のアプリも便利だけれど、やはり手書きの手帳があると落ち着くのだ。

働き始めて2年目か3年目くらいから、ずっと使っている「ほぼ日手帳」。

10年くらい前からA5サイズの大きさのものに変えてから、1日1ページにその日の日記を簡単に書いている。

今年の手帳をぱらぱらとめくりながら、来年の手帳に諸々のことを書き写していく時間。

2020年の今年は、いろんなことがあった。

過ぎ去っていくものは忘れるもので、手帳を眺めて思い出すことも多い。

2021年の来年は、どんなことが待っているのだろう。

先のことは分からないが、差し出されるものを、ありがたく受け取るだけだ。

荷物を送る用事があり、運送会社の営業所に寄ったら、行列ができていた。
営業所に入れる人数を制限していることもあるのだろうが、営業所の外に荷物を抱えた人たちの長い列が。

いつもとは違った静かな年末年始、何かを送る人が多いのだろうか。
それとも、毎年そうなのだろうか。

いずれにせよ、年末年始も営業し、配達してくださる運送会社の方たちのおかげで、こうして荷物を送ることができる。
ありがたいことだ。

手続きを終えて、見上げれば、凛とした冬らしい青空。
この透き通っていながら、コントラストのはっきりとした色の空は、冬のものだと思う。

こんな空を見上げながらも、暮れゆく2020年を想うあたり、やはり私も虚構が好きなのだろうと思った。

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今年もありがとうございました。

どうぞ、よいお年をお迎えください。