大嵜直人のブログ

文筆家・心理カウンセラー。死別や失恋、挫折といった喪失感から、つながりと安心感を取り戻すお手伝いをしております。

冬至、陰極まりて。

寒さも厳しさを増してきたが、暦の上では「ふゆ、いたる」。
冬至である。

一年の中で最も昼の時間が短く、夜が長い時候。
気温はこれから寒さが本番になるが、日の出ている時間はいまが最も短く、これから少しずつ延びていく。

陰極まりて、陽となす。
片方の極に振れれば、もう片方に揺り返す。

季節のめぐりは、いつも大切なことを教えてくれる。

どんな極に振れても、それは移ろいゆく。
それが陰であろうと、陽であろうとも。

目に映るものは、すべて移ろいでゆく。
移ろいゆき、変わりゆくことのみが、ただ一つ、変わらないことかもしれない。

七十二侯では、「乃東生、なつかれくさしょうず」。
なつかれくさ、すなわち靭草(うつぼぐさ)はこの時期に芽を出し、根を張る。

他の植物が枯れ絶えるこの時期に、彼らは命を輝かせる。
反対に、生命隆々たる夏には、靭草は枯れゆく。

どんなときでも、どんなところでも。

見上げれば、陽が昇り。
足元には、咲く花がある。

冬至。
陰極まりて、陽となす。

季節のめぐりは、いつも大切なことを教えてくれる。

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冬至の朝日。