大嵜直人のブログ

文筆家・心理カウンセラー。死別や失恋、挫折といった喪失感から、つながりと安心感を取り戻すお手伝いをしております。

そこにいる。

そこに、いる。

いつもの川沿い、いつもの夜。

いつもの空に、いつもの月。

そこに、いるのだ。

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遠目からは、黄色い傘を広げたようにも見える。

周りの風景から、そこだけ浮き上がるかのような、その一角。

ぼんやりと、どこか霧の中に浮かんでいるようにも見える。

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キダチチョウセンアサガオ。

天使のトランペット。

近づけば、より一層まわりとのアンマッチが際立つ。

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不思議な形をしている。

なぜ、このような形になったのだろう。

人は、いつも理由ばかりを考える。

何かにつけて、人は理由をつけたがるけれど。

「なぜか」というよりも、いまそうであることが、すべてのようで。

それは、どこか合わせ鏡をのぞき込んでいるようでもある。

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傘の下に入り、灯りを見上げる。

南国のフルーツのような、甘い香りが、わたしを包んでいた。

どこか、まわりから浮き上がっているような、霧の中に浮かんでいるような気がした。

それは、外から見る風景と、同じなのかもしれなかった。

今日も、そこにいる。

キダチチョウセンアサガオ。

今日も、そこにいた。

そこに、いてくれた。