大嵜直人のブログ

文筆家・心理カウンセラー。死別や失恋、挫折といった喪失感から、つながりと安心感を取り戻すお手伝いをしております。

霜降、雨のあとに。 

めずらしく、丑三つ時に目が覚めた。

ぼんやりとした夢うつつの中、雨の音を聞いた。

再び目覚めた朝、まだその音は続いていた。

ここのところ、朝晩の冷え込みが感じられるようになっていたが、少し暖かな朝だった。

時に、「霜降」。
冷たい露が草木に宿る「寒露」から、霜が降り始める時候。

そんな今日だが、まだ「露」に未練があるのか、朝から雨が地を愛でていた。

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葉に落ちた雨粒が、どれも美しく。

雨は「落ちる」と表現するのに対し、霜は「降る」と表現する。

そう思うと、霜は雪の仲間なのだろうか。

そんなことを考える。

露から霜に変わっても、変わらなくても。

ただ、時は流れていく。
流れのままに、そのままに。

夕方近くになって、雨は止んだ。

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秋らしい、不思議な形の空模様が広がっていた。

腕を撫でていく風が、ひんやりと冷たかった。

そろそろ半袖では寒くなってきた。

やはり、時は流れ、季節は流れていく。

どこか遠く、空の向こうで、今朝ぼんやり夢うつつの中で聞いた、雨の音が聞こえたような気がした。