大嵜直人のブログ

文筆家・心理カウンセラー。死別や失恋、挫折といった喪失感から、つながりと安心感を取り戻すお手伝いをしております。

ゆっくり、ゆっくりと、走る。

最近のランニングは、殊更にゆっくり、ゆっくりと走っている。

極力スピードを出さないように、ゆっくり、ゆっくり、一歩一歩、踏みしめるように。

スピードを出さないのは、もちろん要らぬ怪我などの防止のためもある。

けれどそれ以上に、スピードを出さないように、抑えて走ることが、いいトレーニングになっているように感じる。

それは、一歩一歩、自分の存在を確認しながら走るという感覚なのかもしれない。

地に足を着ける、とはよく言ったものだ。

私たちは何かに向かって走りたがる。

目標なり目的地が見えると、それに向かって足取りを早めたくなる。

その目標なり目的地がなくても、それを見つけようとして走ったりもする。

それもそれでいいのだが、時に「ゆっくり」走ることもいいものだ。

エネルギーを外ではなくて、内に向けて、抑え込むように。

一歩、また一歩と地面に触れる感覚を、確かめるように。

それは、生きていることを実感することと似ているのかもしれない。

ならば、なおのこと。

ゆっくり、ゆっくりと、走ろう。 

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少し夏色の出てきた空を眺めながら。