大嵜直人のブログ

文筆家・心理カウンセラー。死別や失恋、挫折といった喪失感から、つながりと安心感を取り戻すお手伝いをしております。

スローランニング情景。

ゆっくりと、走る。

淡々と、粛々と。

自分が思っているよりも、うんと、ゆっくりと。

景色が流れるままに任せる。

陽が沈んでいく。

世界が黄金色に輝き、やがて色を失っていく。

ゆっくりと、走る。

瞑想とランニングは似ている。

それは、ただ流れていくに任せるから、だろうか。

紫陽花が見え、やがて消えていく。

悲しみが訪れ、やがて消え去っていく。

新緑の木々がやってくる、そして去っていく。

やらねばならぬことが浮かび、そして去っていく。

遠くに陽が輝き、そして沈んでいく。

鬱々とした気分になり、そして流れていく。

それらは、ひとりでに流れていく。

瞑想も、ランニングも、どちらもそこに留まらない。

ただ、流れていくことを許す。

自分が走っているのか、それとも景色が流れているのか。

ときどき、分からなくなる。

確かなことは、いつもより速い心音と深い呼吸、そして熱を帯びた体温。

その身体感覚が、わたしをここに留める。

同時に、それらは一瞬たりとも留まらない。

常に、流れていく。

生が流れていくことと、同じように。

流れていくものと、闘ってはならない。

流れていくものと、比べてはならない。

流れていくものに、惚れてはならない。

流れていくものを、無くそうとしてはならない。

それは、ただ流れていくだけなのだ。

ひとりでに流れていく。

景色は、情感は、生は、夢は、現実は、ひとりでに流れていく。

それを流れるままに。

ゆっくりと、走る。

ゆっくりと、景色が流れていく。

ゆっくりと、わたしは流れていく。

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