大嵜直人のブログ

文筆家・心理カウンセラー。死別や失恋、挫折といった喪失感から、つながりと安心感を取り戻すお手伝いをしております。

葉桜愛でる、清明のころ。

葉桜が好きだ。

満開の桜も、もちろん美しい。
これから花を開かせようとする蕾も、また美しい。

けれど、葉桜の美しさは格別だ。

今年の桜は、ことのほか長く咲いているように感じる。

雪が降ったり、寒の戻りが多かったせいだろうか。

それとも。

世情を憂い、できるだけ多くの人を癒すために、だろうか。

もし、そうだとしたら。

小さな五弁の花びらで、必死に散ることを耐えているのだとしたら。

その花弁に、畏敬の念を払いたくなる。

葉桜が好きだ。

桜の花は、咲きはじめが淡い紅色、そして満開になると白色に近づくという。

その白色と、生命力の緑が交差する瞬間。

麗らかな春から、力強い新緑へとバトンをつなぐ地点。

はじまりと、おわりが集う場所。

今日、ここから、始めよう。

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