大嵜直人のブログ

文筆家・心理カウンセラー。死別や失恋、挫折といった喪失感から、つながりと安心感を取り戻すお手伝いをしております。

春分過ぎて。

昨日の春分の日を過ぎて、また一つ春らしくなってきたようだ。

少し前に立春がどうのと書いていたような気がするが、時の流れは早い。

立春、雨水、啓蟄、そして春分へ。

その陽気に誘われて、近所の川沿いを走る。

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川沿いの桜も、もう待ちきれないといった趣で、その蕾を膨らませている。

頭上からは、鳥の声が響く。

七十二候では、「雀始巣(すずめはじめてすくう)」の時候。

雀たちも、巣をつくりはじめる、春。

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それにしても、どの桜の木の蕾も、それぞれに膨らんでいて美しい。

ランニング途中の足を止めて、各々の蕾に魅入る。

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足元を見れば、一面に広がるタンポポの黄色。

春は、黄色から始まる。

そんな趣深い言葉を、思い出す。

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雪柳も満開。

その小さく可憐な白い花の集まりが、春の訪れを祝うようで。

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あと少し。

美しさは、未完の中にこそ。

散り際も美しいが、咲く前もまた、美しく。

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見上げていると、もう咲きそうな蕾もちらほら。

もう、あと1、2日で咲きそうな気がする。

それにしても、日本中でこれだけ多くの人が、その蕾を眺めている花もないのだろう。

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そして、ついに。

白い、点のように、一つの蕾が花開かせていた。

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今年、初めて見た、桜。

それは満開の桜とは違って、また趣のあるものだった。

季節の移ろいというのは、不思議だ。

日々流れていくものなのに、それを見ているときはいま、ここに留まることができる。

いま、この瞬間にしかない、令和二年の、春。

その瞬間を、味わい尽くそう。