大嵜 直人のブログ

別れによって傷ついたココロは、出会いで癒される。私が辿ったそんな物語を「書く」ことをライフワークにしています。

「自分を愛せない自分」を愛する、「正しさを手放す」という正しさを手放す、というメタ視点。

自分を客観視することは非常に難しいが、同時に非常に大切なことでもある。

 

それは、自分という存在を「メタ」な視点から眺める、ということである。

 

映画や小説の中の登場人物から、それを眺めている観客、あるいは読み手の視点への変換。

 

そこに自己を客観視するという困難のヒントがある。

 

 

「自分を愛する」ということが大切だと、いろんなところで言われる。

「自分を愛せない人は、他人を愛せない」という台詞も、この変奏曲だと言っていい。

 

だが、この自分を愛するという尊い行為は、決して「愛しやすい自分」だけを愛するということではない。

 

他人に褒められたり、自分が満足する成果が出たり、周りに優しくできたり、あるいは誰かに愛されたり…そのような「愛しやすい自分」だけを愛せばいいのならば、楽な話である。

わざわざ「自分を愛することが大切なんだよ」と、声高に叫ばれることもないだろう。

 

「自分を愛する」ということで難しいのは、「愛しにくい自分」を愛する、ということである。

気に入らない容姿、引っ込み思案でネガティブな性格、誰かに嫌われたり、貶されたり、周りの優しさを受け取れなくて、逆に周りを傷つけたり…そんな「愛しにくい自分」を愛することが、自分を愛することの第一歩目であり、最終地点でもある。

 

「自分を愛せない自分」を愛する、ということ。

 

 

同じように、「正しさを手放す」という金言がある。

 

人間関係、特にパートナーシップにおいて顕著なのだが、「正しさ」と「幸せ」は反比例する。

それが社会的通念であれ、自分の握りしめている観念であれ、「正しさ」を押し通そうとするほどに、周りの人の心は離れていくし、同時に「幸せ」から遠ざかっていく。

 

「正しさ」とは、時に自分で自分を縛る鎖になる。

「正しさ」は、義務と禁止を強要するからだ。

 

簡単に仕事を辞めてはいけない。

将来のために毎月貯金をするべきだ。

人に迷惑をかけてはいけない。

他人から恩を受けたらお返しをするべきだ。

 

それらは「正しい」かもしれないが、自分の可能性を狭め、窮屈にしているとも言える。

残念ながら、「幸せ」はそこには見つからないことが多い。

 

「幸せ」に生きる秘訣の一つは、ぎゅっと握りしめている「正しさ」を手放すことと言える。

 

ここまでを前提として。

 

その手放す「正しさ」の中に、

正しさは手放すべきだ

という「正しさ」もまた、含まれるのだ。

 

『「正しさを手放すべき」という正しさ』もまた、手放すという視点。

 

それは、「自分を愛せない自分」を愛する、と同じ視点であり、自己を客観視する視点に他ならない。

 

 

「メタ」視点。

 

言葉について記述するための言語を、メタ言語という。

小説とは何かというテーマを書いた小説を、メタ小説という。

数学そのものを研究するための数学を、メタ数学という。

 

「自分を愛せない自分」を愛することを、何と呼ぼうか。

メタ自己愛、だろうか。

メタ自己肯定、だろうか。

 

「正しさを手放す」という正しさを手放すことを、何と呼ぼうか。

メタ正しさを手放す、だろうか。

正しさをメタ手放す、だろうか。

 

いずれにしても、自己を客観視するヒントになりうる。

 

どれだけ、観ている映画の主人公がピンチになろうと、

どれだけ、目の前のドラマのヒロインが酷い仕打ちを受けようと、

どれだけ、読んでいる小説の中の彼女が悲恋に泣き腫らしても、

 

あなたはピンチでもなければ、酷い仕打ちを受けてもいなければ、悲恋を経験しているわけでもない。

 

あなたは、あなたでいるだけだ。

 

いつでも、どんなときでも。

 

f:id:kappou_oosaki:20200108114621j:plain

花びらを手放した、山茶花の道。

 

________________________

〇お問い合わせ先

執筆についてのご依頼・お問い合わせはこちらから。

Instagramnaoto_oosaki/Facebok:naoto.oosaki.5

Twitter@naoto_oosaki/LetterPot:users/13409 

________________________

〇今日の書斎:2020/1/10

1.寄稿記事:「王道と覇道(仮)」 構想中

2.ものがたり 構想中

________________________

〇大嵜直人の作品一覧はこちら

【大嵜直人の執筆記録】

________________________