大嵜 直人のブログ

別れによって傷ついたココロは、出会いで癒される。私が辿ったそんな物語を「書く」ことをライフワークにしています。

愛する対象が、あるだけで。 ~東京・「東新宿 炭火割烹 倉乃介 発酵と熟成の幸」訪問記

東京は東新宿の炭火割烹、「倉乃介」さんを再訪した。

 

ノンアルコール民の国籍を取得してから久しいが、折に触れて「倉乃介」さんには暖簾をくぐらせて頂いている。

 

その料理の味、お店の雰囲気、そして大将の飾らないお人柄に惹かれて。

 

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旬のゆり根と、魔法の塩で。ほくほくさくさく、ほくほくさくさく。

 

旅に出る理由、というのは人それぞれだろう。

 

絶景や名所旧跡を観光するため

日常を離れて自分を見つめる時間を得るため

その土地の美味しいものを味わうため

 

旅人が100人いれば、100通りの理由があるのだろう。

 

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大将ご実家からのお野菜と魔法の塩。滋味に溢れて。

 

私にとっては、どうだろうか。

 

上に挙げたそのいずれも当てはまるのだろうが、やはり「人に会いに行く」というのは、非常に大きな理由であるようだ。

 

会いたい人に、会いに行く。

 

それは、私にとって旅に出るための大きな原動力の一つであり、それに美味しいものがついてくるのなら、それほど素晴らしいことはない。

 

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熟成の幸。深い滋味、旨味、そして官能的な食感。

 

会いたい人に、会いに行く。

 

それは同時に、会いたい人に会うことを、自分に許可する、ということだ。

 

会いたい人に、会える自分でいる、ということ。

 

「私なんぞが」「ご迷惑かも」「やっぱりやめとこうかな」…湧き出る無価値観を越えて、何のてらいもなく「会いに来ました」と言える自分でいる、ということ。

 

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「ごんあじ」というブランドの鯵。脂が乗っているのに、身が締まっていて。

 

旅に出ると、その無価値観が薄れるのか、

それとも、その無価値観が薄れるから、旅に出ようと決意するのか。

 

どちらも正解なのだろう。

 

ふらりと暖簾をくぐって、「会いに来ました」と言える自分でいたいと思う。

 

席に着いて、ほっと一息ついて、国宝の絵巻物のようにお品書きを眺めて、大将ご実家の諏訪野菜の話から、諏訪についてのとりとめもない話を一つ、二つ。

 

ただ、その時間が、心地よく。

 

他のなんのためでもなく、ただその時間のために来たような。

 

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希少部位の「みすじ」。魔法の柚子胡椒がたまらなく。

 

人は、愛されることに、まず喜びを感じる。

 

それは、受動的な喜びであり、受け取る愛である。

 

幼い子どもを見ていると、彼らはスポンジのように愛を受け取ってくれる。

 

そのうちに彼らも成長していくと、愛されるよりも愛することに、人は喜びを覚えるようになる。

 

すなわち、愛を受け取ってもらえたときに、より大きな喜びを覚える。

 

「わたしが与えたことで、あなたが喜んでくれるのが、とても嬉しい」

 

それは能動的な喜びであり、与える愛である。

 

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蟹の炊き込みご飯。蟹味噌たっぷりで、お米が蟹になったかのような。

 

されど、時に能動的な愛は、時に相手の反応で深く傷つく。

 

「わたしが与えたのに、あなたが喜んでくれないと、とても悲しい」

 

相手の反応はコントロールできない。

 

だから、多くの人がこのギャップに苦しむ。

 

それは、愛を学ぶプロセスなのかもしれない。

 

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味噌汁と一緒に、日本に生まれた幸せを噛みしめる。

 

けれど、究極的には。

 

愛を受け取ってもらえたかどうかは、あまり関係がない。

 

愛する対象があるだけで、人は幸せである。

 

それがあるだけで、こころの奥底は、静かで穏やかな凪のようで。

 

倉乃介さんがあって、よかった。

 

今日、ここに来れてよかった。

 

土鍋の炊き込みご飯を味わいながら、私の心の海は凪いでいた。

 

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ごちそうさまでした、とても美味しかったです。

また、会いに伺わせて頂きます。

 

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