気付けば12月、師走である。
あと31日で2019年、令和元年が終わってしまう。
ついぞこの間、新年の目標を立てたような気もするし、残暑が厳しいだのなんだの言っていた気がするのだが。
霜月の初めには、ご依頼頂いた小説の締めきりに追われ、いっぱいいっぱいになっていたが、それも過ぎ去ってもう師走である。
思い返せば、霜月は、紅かった。
師走に入って、はじめに目に入ったのは、また赤だった。
周りに比べて急ぎ気味に咲いた、山茶花。
師走は、紅いというよりも、赤いようだ。
赤い、師走。
日が暮れそうになってから、野球をしたいと主張する息子に連れられて、久しぶりに近所の公園へ。
風邪が治りがけで辛いという主張は、まったく通用しないらしい。
公園に着いてキャッチボールをして、バッティングピッチャーを務める。
しばらくぶりなのに、驚くほど上手くなっていた息子に、彼の時間の流れの濃密さを想う。
気付けば、西の空は暖色のグラデーションを彩っていた。
秋の日はつるべ落としと言うが、それよりもまた早くなったような気がする、師走の夕暮れ。
陽の力が最も弱まる冬至まで、あと3週間ほどでもある。
今日を名残惜しそうに沈む夕日は、また赤かった。
赤い、師走。