小雪も過ぎ、日に日に秋の深まりと冬の訪れを感じる日々。
前日からの雨は、明け方に止んだようだ。
おかげで肌寒かった前日とは違って、黄金色の陽射しが暖かかった。
それでも、ところどころに雨の記憶を見つける。
雨上がりの朝だけの、美しさなのかもしれない。
道ゆく先の花にも、わずかに雨の記憶が。
暖色のグラデーション。
秋深し。
抜けるような青空との対比は、この時期だけの美しさ。
秋の陽射しは、どこか優しげで。
けれど、その陽射しが味わえる時間は、思いのほか短い。
気付けば、寂寥感と肌寒さのある黄昏がすぐに訪れる。
帰り道では、早くもサンタクロースが出動していた。
この赤と白の配色を見ると、もう一年も終わりである。
いまそこにある美をみつめること。
それは、いつでも可能なのだと気付かされる、小雪のころの、散歩道。