大嵜 直人のブログ

別れによって傷ついたココロは、出会いで癒される。私が辿ったそんな物語を「書く」ことをライフワークにしています。

因果律を、手放す。

すべての事象には必ず原因があり、原因なしには何も起こらないという考えを、因果律と呼ぶ。

 

あの原因があるから、この結果になる。

 

合理的に見え、誰しもが納得できるように見える。

 

まったく関係ないように見える二つの事象に、つながりと関係性を見いだすことができるのは人間の素晴らしい能力の一つである。

 

されど、ときにその因果律の眼鏡を外してみることは、世界の見方を変えてくれる。

 

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17世紀にアイザック・ニュートンが提唱した古典物理学は、それまで神や精霊の業であった自然現象を数式に置き換えて説明することを可能にした。

 

すべての事象には原因と結果の間に一定の関係が存在し、必ず原因は結果よりも前に存在すると。

 

そう考えた科学者は、次々に世界の秘密を解き明かし、同時に科学技術は人間の暮らす世界を大きく変えた。

 

ニュートンがロンドンのウエストミンスター寺院に葬られた後に、フランスで生まれたピエール=シモン・ラプラス

 

彼は、ある一定の時刻におけるすべての力学的状態と力が明らかであり、かつそれらの計数を分析できる知性が存在するのならば、その知性は未来のすべてを見通すことができると考えた。

 

のちに「ラプラスの魔」と呼ばれ、広く知られることとなるこの考えは、未来は現在の状態によって、既に決まっているとする究極の決定論と言えた。

 

それまで、過去のみならず未来のすべてを見通す存在は「神」でしかあり得なかったが、ひょっとしたら我々もその知性を持てるのかもしれない。

 

古典物理学のもたらしたインパクトは、どれほどのものだったか。

 

因果律という思考に我々が支配されるのも、無理はないように感じる。

 

 

「神様はサイコロを振らない」

 

アルバート・アインシュタインは、あまりに有名なこの言葉で20世紀初頭に勃興した量子力学を批判した。

 

ニュートン力学の考える静止した絶対空間を超えて、運動している物体の関係性(相対性)を、光速度を唯一絶対の基準として「特殊相対性理論」と「一般相対性理論」を記述としたアインシュタイン

 

世界を支配するルールを解き明かしたいという夢を抱いていたアインシュタインにとって、「位置」と「運動量」は同時に知ることは原理的に不可能だとするような、量子力学の立場は受け入れ難いものだったのだろう。

 

有名なハイゼンベルグ不確定性原理に代表されるように、量子と呼ばれるミクロの世界において、その事象は確率でしか記述ができないと言う。

 

にわかには信じ難いが、その後の科学技術の進歩の多くが、この量子力学をベースにしていることが、すべてを物語っている。

 

 

世界は、私たちが想像するような、何かをインプットすれば、必ず決まったものがアウトプットされる、そんな単純なものではないのかもしれない。

 

されど、因果律というもっともらしい分かりやすさは、いまだ私たちを捉えて離さない。

 

自分に自信がないから、彼女から捨てられた。

もっと優しくしていたら、彼の気持ちは離れなかった。

家庭を顧みずに仕事ばかりしていたから、子どもたちが荒れた。

母親がいつもお金に困っていたから、私も同じように困っている。

 

そうかもしれないけれど、そうでないかもしれない。

 

そして、それはネガティブな因果律だけではなく、ポジティブなものでもそうだ。

 

頑張って努力したから、よい作品が書けた。

他人のために生きてきたから、困ったときに助けてもらえた。

自分を磨いていたから、素敵な人に出会えた。

周りの人に恵まれたから、成功した。

 

そうかもしれないけれど、そうでないかもしれない。

 

そこで考える原因と結果に、何の因果もないのだとしたら。

 

因果律を、手放してみたら。

 

もっと自由で、あるがままでいいのかもしれない。

 

過去も未来もなく、ただ、いま、ここに生きることができうるのかもしれない。

 

消えたり、現れたり、テレポーテーションしたりする、量子の世界が存在するのだから。

 

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花は、ただ咲く。

 

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