自転車の修理が完了したとの電話が入ったため、息子と散歩がてら自転車店まで歩く。
まだらな雲が空に浮かんでいた。
割と強い陽射しに汗ばむ陽気だったが、時折吹く風はひんやりとして秋を感じさせる。
路傍の青色に、目が留まった。
ちいさな青い花に、黄色の花弁。
ツユクサだった。
そういえば今時分の節気は「寒露」、朝晩の冷え込みに草や葉に冷たい露が宿るころ。
もう来週には「霜降」、北国から霜が降り始める節気を迎える。
露から霜への時期に咲いた、ちいさな花。
その背景に映る赤色との対比が、美しかった。
赤色は、オシロイバナだった。
昔の子どもは、この実を割ると出てくる白い粉質のもので「おしろい」がわりにして遊んだことから、この名が付いたそうだ。
おしろい代わりにはしなかったが、小さい頃この黒い小さな実を集めたことを思い出す。
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wiki先生で調べてみると、「ツユクサ」は朝咲いた花が昼にはしぼんでしまう様子が朝露を連想されることからその名が付いたという説があり、英名のDayflowerも「その日のうちにしぼむ花」という意味を持つそうだ。
今日しか見られない、その小さな花に出逢えた奇跡を想う。
反対に「オシロイバナ」は、和名を「ユウゲショウ(夕化粧)」とも呼ばれ、花は夕方から咲くそうで、目の前の花もしぼんだ状態だった。
英語ではFour o'clock。4時の花といった趣だろうか。
中国語では洗澡花(風呂に入る時間から)、煮飯花(夕飯の準備の時間から)といった名で呼ばれるそうだ。
夕方にでも、また見に来ようか。
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朝に咲く花、夕方に咲く花。
時はいつか満ちるもの。
起こっていることは全て奇跡で。
ただ、それを眺めるように。
揺蕩うように、流れのままに。
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※一部リライトのため
2.寄稿記事:「175,100メートル(仮)」11/3寄稿目標
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