大嵜 直人のブログ

別れによって傷ついたココロは、出会いで癒される。私が辿ったそんな物語を「書く」ことをライフワークにしています。

処暑を過ぎて。

処暑を過ぎて。

 

雲の形が、変わった。

 

人知の及びのつかぬ怪物のような入道雲は姿を消し、

いつしか切れ切れになった秋の雲が流れている。

 

風が、澄んだ。

 

外気に触れた瞬間のうだるような熱気はどこにもなく、

どこか静謐さと諦念をはらんだ風が吹いている。

 

蝉が、消えた。

 

この世を謳歌するように響かせていた蝉たちの歌も、

日に日に澄みゆく空へ捧げる鎮魂歌のように。

 

夕闇が、濃くなった。

 

永遠とも思えた昼の長さと明るさは、

帰り道の暗さの驚きへと取って代わる。

 

夏が、終わる。

 

 

夏生まれだからだろうか。

 

私は夏の終わりにいつも慄き、寂しさに震える。

 

どうして、わかっていたことなのに、こんなにも夏が終わると感傷的になるのだろう。

 

わかっていることと、

感じることとは、

何の関係もないのかもしれない。

 

わかっていることと、感じることには、何の脈絡もない。

 

理解と感情とは、善悪の彼岸のようだ。

 

そこには、深く広大な川が流れている。

 

だからこそ、人は感情を持つのだろうか。

 

その川に、架け橋を渡すために。

 

 

久しぶりに日焼けした肩が、下着と擦れてひりひりと痛む。

 

懐かしい、痛み。

 

それでも、消えていく痛み。

 

往く夏を、私は惜しんだ。

 

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〇大嵜直人の書斎:2019/8/26

1.某メディア様への寄稿記事

→ 次回記事「名人」(仮)、寄稿目標9/1

2.ものがたり

→ 執筆中、タイトル未定

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