大嵜 直人のブログ

別れによって傷ついたココロは、出会いで癒される。私が辿ったそんな物語を「書く」ことをライフワークにしています。

Mr.Children「Over」に寄せて

ミスチルの名曲、「Over」に寄せて。

 

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ここで何度か書いた記憶があるが、人は18歳前後くらいの時期に聴いた音楽は、一生聴き続けることが多いそうだ。

 

もちろん、そこから新しいジャンルを開拓する人もいるが、多くの人の心の琴線に触れるのは、そのあたりの時期に聴いた音楽なのではないかと思うし、だから「懐メロ」がコンテンツとして錆びないのだろう。

 

この曲が収録されたアルバム「Atomic Heart」がリリースされたのが、1994年だそうだが、私がこの曲の存在を知ったのは、その数年後だった。

 

当時高校生だった私は、友達がカラオケで歌っているのを聴いて、この曲を知った。

 

その友人といったら、まあ男性の私が見てもイケメンで、野球部で活躍していて、おまけに歌も上手く、まあよくモテた。

 

そんな友人がこの曲を歌うものだから、それを聴く女の子たちの目が「ハートマーク」になっているのを見て、平たく言えば「クスブリ」の部類だった私は、「そうか、この曲を歌えばモテるのか」と膝を打ったのを覚えている。

 

「歌」ではなくて、「歌っている人」に目線が行っていたのは明白なのに、健気なものである。

 

…と、書いていて恥ずかしくなってきたが、それでも、この曲を聴きたくてCDを買って、何度も聞くたびに、「Over」という曲が好きになっていった。

 

名曲だなぁ、と思うのである。

 

「18歳のころ聴いた音楽」の法則に漏れず、この曲が入ったCDは、いまでも私の車に搭載され、ドライブのお供になっている。

 

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さて、そんな「Over」であるが、歌詞からすると「別れ」あるいは「失恋」の歌である。

 

けれど、「別れ」の持つ悲しさや辛さよりも、どこか切なさというか、やるせなさというか、センチメンタルで繊細な感じを受ける。

 

男性の側からすると、桜井さんのあの声で歌われる男性のセンチメンタルさ、頼りなさ、意気地のなさに、どうにも共感を覚えてしまう。

 

ウダウダするのは、いつだって男性の方なのだ。

 

いつだって、女性は決めたら強い。

 

それはさておき、感傷的なイントロからの歌い出しからして、切ない。

 

何も語らない 君の瞳の奥に愛を探しても

言葉が足りない そうぼやいてた君をふっと思い出す 

 

このフレーズだけで、聴く人それぞれに、何がしかの情景を想起させてしまうところに、「Over」の魅力が集約されているように感じる。

 

そして、それに続いて歌われる、男のよく言えば「センチメンタルな」、ありていに言ってしまえば「女々しい」「未練がましい」歌詞がまた、いい。浸れる。

 

今となれば

顔のわりに小さな胸や

少し鼻にかかるその声も

数え上げりゃ きりがないんだよ

愛してたのに

心変わりを責めても 空しくて

 

まあ実際問題として、この歌詞は「桜井さんだから」許されるのだろう。

 

同じようにイケメンの友人が歌うからサマになるのであって、そうではない男が歌うっても、見苦しいメンヘラのつぶやきに聴こえてしまう可能性が大なのだが、それでもいいのだ。

 

桜井さんだろうと、その友人だろうと、誰でも男性は歌詞のとおりに悩むのだろう。

 

男らしさって一体どんなことだろう?

 

そんな感傷的なフレーズをいくつも経て、曲は終章に入る。

 

イントロと同じメロディに戻って、この歌詞である。

 

何も語らない 君の瞳もいつか思い出となる

言葉にならない悲しみのトンネルを さぁくぐり抜けよう

 

「神ってる」としか言いようのない、このエンディング。

 

「over」という英単語には、「~の上方に」、「~の頭上に」、「~を覆って」、「~を覆い抱えるように」、「一面に」、「~の全部を」、「~の隅々まで」というニュアンスがある。

 

そのニュアンス一つ一つに、「別れ」の本質があるように感じる。

 

そして何より、このエンディングが伝えてくれるのは、「over」の中の「~を超えて」というニュアンスのように、私には聴こえるのだ。

 

名曲中の名曲、「Over」。

 

歳を重ねても、私はことあるごとに聴き続けるように思うのだ。

 

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〇大嵜直人の書斎:2019/8/7

1.某メディア様への寄稿記事

→ 次回記事「名人」(仮)構想中、寄稿目標8/25

2.ものがたり

→ 執筆中、タイトル未定

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