大嵜 直人のブログ

別れによって傷ついたココロは、出会いで癒される。私が辿ったそんな物語を「書く」ことをライフワークにしています。

キンコン西野さんの近畿大学卒業式スピーチに寄せて

キングコング西野亮廣さんが、近畿大学の卒業式で卒業生に向けてスピーチした全文を、ご本人のブログでアップされている。

 

ameblo.jp

 

近畿大学というと、以前にホリエモンこと堀江貴文さんが同じように卒業式で胸を打つスピーチをされている動画を拝見したことがあるが、人生の門出に時代の先端を歩く先人たちの言葉が聴けるというのは、うらやましい限りだ。

 

私が大学で卒業式を迎えたときは、その2週間ほど前に母親との突然の別離があったりと、その関係でいろんなことが降りかかってきたりと、人生の中でもハードな時期であったため、ほとんど記憶がない。

 

人生の門出などという気分では全くなく、写真も残っていない。

 

住むところを探しながら、同時に引っ越しの準備をしながら、諸々の手続きやら何やら・・・と自分が今日やるべきことをこなすだけで精いっぱいだったように思う。

 

そのときに抑え込んだ悲しみや寂しさに気づくまで15年以上もかかるとは、当時は思いもしなかったが、それだけ傷ついていたのだろう。

 

そんな時期でも、西野さんのような方がスピーチをされていたら、卒業式の記憶も残っていたのだろうか。

 

そう考えると、当日スピーチを聴いた近大の卒業生の方たちをうらやましく思う。

 

 

前述のリンクは当日のスピーチの全文を文字起こしされていて、文字だけでも面白く、惹きつけられるし、話し手としての西野さんの凄みを感じる。

 

笑いを取りながら、導線を引き、そしてご本人が話されるからこそ説得力のある結論にもっていく。

 

このあたりの所業、まさに天才、という感じなのだが、西野さんが運営されているオンラインサロン「西野亮廣エンタメ研究所」では、そのスピーチに向けて西野さんが

「何を考え」

「何を事前に準備し」

「どんなことに気をつけて」

「その後の展開のために何を仕込んで」

いたのかを、詳しく説明されている。

 

あぁ、「プロフェッショナルの仕事」というのは、こんなふうなロジカルな思考と、圧倒的な経験の積み重ねと、覚悟で成り立っているんだなぁ、と考えさせられる。

 

※「オンラインサロン」の詳細はこちらから

salon.otogimachi.jp

 

某テレビ番組ではないが、「プロフェッショナルとは?」「アマチュアとプロフェッショナルの違いとは?」という質問がよくあるが、やはり「意識」の違いなのだろうと思う。

 

そして「意識」の違いとは、「生活」から生まれる。

何を大切にして、毎秒、毎秒を過ごしているか、という違いなのだと思う。

 

そのスピーチをする十数分だけがすごいのではなくて、

その十数分のスピーチをするために、何十年と積み重ねてきたものが宿るのだ。

 

ピカソが、彼のファンに描いてほしいと頼まれて、紙ナプキンにサササッと描いた絵に

「100万ドルです」

と値付けをしたことに驚いたファンが、

「本当ですか?だって30秒しかかかってないのですよ?」

と言ったところ、ピカソ

「30年と30秒ですよ」

と答えた・・・という有名なエピソードがあるが、 芸術・アートの分野に限らずプロフェッショナルとは、そういうものなのだろう。

 

西野さんがよく「神は細部に宿る」と仰っているが、「どの細部に」「どうやって」神を宿していくのか、オンラインサロンはその「プロフェッショナル」の思考の道筋が毎日公開されている。

 

私たちが簡単に「天才」という一言で表現してしまう才能が、いかに泥臭く、地道で、想像力の限りを尽くして、毎日毎日積み重ねてきた結晶なのか、オンラインサロンの投稿を読むと、日々考えさせられる。

 

 

さて、そのスピーチの内容のなかで、私が最も心を惹かれたのが、スピーチの終盤で出てくる、

 

僕たちは今この瞬間に未来を変えることはできないけれど、過去を変えることはできる

 

という言葉だ。

 

全てのことはこの言葉に凝縮されているように思う。

 

そうなのだ。

 

私たちは過去から未来へと時間のベクトルが流れているように思いこんでいるが、実はそれは真逆なんじゃないかと思うのだ。

 

よく「過去は変えられないから、変えることのできる未来のことを考えよう」とする。

 

けれど、ほんとのところ、変えることができるのは「未来」ではなくて「過去」ではないだろうか?

 

たとえば僕の場合ならネタにしてしまえば、あのネガティブだった過去が俄然、輝き出すわけです。

 

と西野さんはスピーチの中で述べている。

 

人生最大の悲劇は、人生最高の喜劇に変えられる。

 

そんな格言を地で行くような、西野さんの説得力のあるスピーチは、奇しくもスティーブ・ジョブズが同じようにスタンフォード大学の卒業式でスピーチした内容に重なる。 

 

www.youtube.com

 

以前にこちらのエントリーでも書かせて頂いたが、ジョブズはその式辞のなかで「3つの重要なこと」を述べた。

 

絶海にあらず。 - 大嵜 直人のブログ

 

「点と点を繋ぐこと」

「愛と喪失」

「死について」

 

ジョブズが人生の晴れやかな門出を迎えた卒業生に向けて話をした3つの大事なこと。

 

その最初に述べたのが、「過去の点と点を繋ぐこと」だった。

 

入学した大学の講義に、高い学費に見合うだけの内容を見いだせず退学を決めたジョブズは、興味の赴くままにもぐりこんだカリグラフィーの講義が、のちのマッキントッシュの開発に役に立ったと述べている。

 

ジョブズは述べているが、決してそのカリグラフィーの講義を受けることを「未来のマッキントッシュを見据えて」行動したわけではない、ということだ。

 

繰り返しですが、

将来をあらかじめ見据えて、

点と点をつなぎあわせることなどできません。

できるのは、後からつなぎ合わせることだけです。

 

「ハングリーであれ。愚か者であれ」 ジョブズ氏スピーチ全訳 :日本経済新聞より抜粋

 

あの世界を変えた偉人ですら、未来をあらかじめ見据えて、なにかをすることはできない、と述べている。

 

私たちにできるのは、振り返って後から過去の点と点を「つなぎあわせること」だけだ、と。

 

同じように人生の門出を迎えた卒業生に向けた西野さんのスピーチも、「いま、未来を変えることはできないけれど、過去は変えられる」と述べておられる。

もう一度、引用してみよう。

 

僕たちは今この瞬間に未来を変えることはできないけれど、過去を変えることはできる

 

時代をつくるような天才の二人が、奇しくも同じように大学の卒業式のスピーチで述べたことは、奇しくも同じ「原理」に基づいていたというのは、とても含蓄が深い。

 

ジョブズといい、西野さんといい、突き詰めていくと同じような思考にたどり着くのだろうかと思うのは、私の穿ちすぎだろうか。

 

 

未来は変えられないけれど、過去は変えられるとしたら。

 

それは、失敗ばかり、恥をかいてばかり、バカにされてばかり、嫌われてばかりの人生を歩んできたと感じる人たちにとって、限りない希望になるのではないだろうか。

 

だとするなら、誰の人生においても、失敗というものは存在しえなくなる。

 

挑戦には、そういったネガティブな結果は必ずついてまわります。

 

でも、大丈夫。

 

そういったネガティブな結果は、まもなく過去になり、そして僕らは過去を変えることができる。

 

失敗した瞬間に辞めてしまうから失敗が存在するわけで、

失敗を受け入れ、

過去をアップデートし、

思考錯誤を繰り返し、

成功に辿り着いた時、

あの日の失敗が必要であったことを僕らは知ります。

つまり、理論上、この世界に失敗なんて存在しないのです

 

このことを受けて、僕から皆さんに贈りたい言葉は一つだけです。

 

挑戦してください。

 

なんと優しさにあふれた、失敗して嫌われて傷ついた人の背中をやさしく支えるような言葉だろう。

 

誰よりも挑戦して、誰よりも失敗して、誰よりも傷ついて、それでもあきらめずに誰よりも努力して、そして誰よりも人の心を動かしてきた人にしか、書けない言葉のように感じる。

 

私も、そんな言葉が書けるようになりたい。

 

そんな想いを抱かせる、歴史に残るスピーチのように感じた、西野さんの近大卒業式のスピーチ全文だった。

 

YouTubeに公開されたら、号泣してしまうんだろうなぁ・・・

 

 

※2019年4月17日追記

 

YouTubeにスピーチの動画がアップされたので、リンクを貼付いたします。

 

www.youtube.com

 

文字起こしだけでも感動したけれど、こうして実際にスピーチをされている動画をあらためて観ると、

 

つまり、理論上、この世界に失敗なんて存在しないのです

 

このことを受けて、僕から皆さんに贈りたい言葉は一つだけです。

 

挑戦してください。

 

 

というところで泣いてしまう。

 

登場のツカミから、カジサックさんや石田さんのエピソード、そして締めの言葉まで、全てが鮮やかに、そして軽やかに導かれるように。

 

「しゃべり」のプロの凄みを感る。

 

それにしても、これを卒業式というハレの空間で、ライブで聴けた近大の卒業生の皆様がうらやましいなぁ・・・

 

 

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