朋あり遠方より来る、
ではないが、先日旧友が出張で名古屋を訪れるとの連絡があったので、久しぶりに酒を飲み交わした。
せっかくの機会なので美味しい肴をつつきながらいろいろと話したのだが、まあ御多分にもれず、深酒してしまった。
旧友とは不思議なもので、どれだけ時間が空いても昨日も会ったかのような空気で会えるから不思議だ。
そして昔話ではなくて、今興味を持っていること、やりたいことを話して聞くのは何より楽しい。
まあいつも通り泥酔していた私のこと、会話の多くは翌日にはきれいさっぱり忘れているのだが、一つ盛り上がった話があってスマホのメモにも残っていた。
弦楽器の名器と呼ばれる、ストラディバリウス。
17~18世紀にイタリアのクレモナでアントニオ・ストラディバリとその二人の息子たちが製作したヴァイオリンをはじめとする弦楽器は、現在では億を超える値がつくことも珍しくない。
そのアントニオ・ストラディバリは若くして弦楽器の製作者としての名声を得ていたが、彼の作品のなかでも素晴らしいのは60歳を超えてからのものだそうだ。
彼の作品の中で傑作といわれるのが、彼が60歳を超えた年代に製作されたものが多いとのこと。
ストラディバリのような天才の話をそのまま聞くのもおこがましいのかもしれないが、誰もがまだまだこれからなのかもしれない。
まだまだ、これからかもしれない。
焦らず、くさらず、おごらず。
これから、まだまだ。
そんなことを思わされる、旧友との一席だった。
まだまだ、これから。