大嵜直人のブログ

文筆家・心理カウンセラー。死別や失恋、挫折といった喪失感から、つながりと安心感を取り戻すお手伝いをしております。

季節の移ろいに無常と不変を想うこと

季節の移ろいはいつも正確だ。

月の満ち欠け、昼と夜の長さ、花の咲く時期、虫の鳴き声・・・

いつも私たちにつねに変わり続けることと、変わらないことを教えてくれる。

ある晴れた秋の日の朝の道すがら。

涼しくなった風に、小さな花が揺れていた。

白、赤、黄、紫、色とりどりの花たちに、

思わずシャッターを切った。

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その翌日は、少し小雨の降る朝だった。

昨日撮った場所を通りかかると、

見事に全ての花が閉じていた。

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雨だからだろうか。

気圧の差だろうか。

この小さな花でさえ、日々のわずかな違いにこれだけ大きな変化を見せてくれる。

人だって、毎日違って、揺れても、ぶれても、戸惑い、迷って、当たり前。

それが、自然なのかもしれない。

変わることと、変わらないこと。

季節の移ろいは、いつもいろんなことを教えてくれる。

季節の移ろいに意識が向かないとき、

気づけば季節が移ってしまっているとき、

人は少し生き急いでいるのかもしれない。

月の満ち欠けを眺め、虫や鳥の声を聞き、咲く花の香りを味わっていれば、

そこに全ての答えが詰まっているし、だいたいのことは解決していく。

変わらないものなど何もないし、

変わらないものも確かに、ある。

変わったように見えても、時を重ねれば戻ってくる。

途方もなく暑かった夏はとうに彼方に過ぎゆき、

台風が去った後には置き土産のように澄んだ秋空が広がる。

季節はたえずして移ろい、そして変わらない。

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