大嵜直人のブログ

文筆家・心理カウンセラー。死別や失恋、挫折といった喪失感から、つながりと安心感を取り戻すお手伝いをしております。

必要なものは、すべて自分の中にある。 ~点と点を結ぶことについて。

少し浮かない顔をされておられますね。

・・・そうですね、そんなときは美味しいものと、美味しいお酒ですね。

今日は、ゆっくり浸っていただけるような言葉をご用意いたします。


 

久しぶりの晴れの週末。

息子と娘にドライブに付き合ってもらう。

30年近くも前によく訪れた、海水浴場。

きっとあのときもこの道を走っていたのだろう。

 

まだ冷たい春の海に素足を浸して、

波の音に耳を澄ませて、

しばし目を閉じてみる。

 

当時泊まっていた施設はもう跡形もなく、

あのときどんな会話をして、

何をして遊んでいたのか、

朧げにももう思い出せないけれど、

ただ、愛されていた。

 

今は亡きスティーブ・ジョブズが、

かつてスタンフォード大学の卒業生に向けた、かの有名なスピーチの中で、一番初めに語ったこと、

「点と点をつなぐこと」

は一つの真理のように思える。

繰り返しですが、将来をあらかじめ見据えて、点と点をつなぎ合わせることなど、できません。できるのは、後からつなぎ合わせることだけです。だから、我々はいまやっていることがいずれ人生のどこかでつながって実を結ぶだろうと信じるしかない。

 

おそらく、たぶん、

必要なものは全て自分の中にある。

気づいていようがいまいが、

それは誰にでも、きっと。

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2017.4.16


 

先日ご来店された際にお出しした言の葉の「故郷の夏祭り」の際に、私の生まれ育った町を少し歩く時間がありました。

それまでは、いつも行く際は車だったりして、ゆっくり歩くことなどなかったのですが、その際は本当に何十年ぶりかに小学生のころの通学路を歩いたのです。

大人になって歩くと、身体が覚えているよりもほんのわずかな時間で歩けてしまい、拍子抜けするほどでした。

 

あんなにも広く、どこまでもつながっていたように思えた道を歩きながら、押し入れから昔熱中した玩具を見つけたような懐かしさと気恥ずかしさ、そして戻れない何かを失ったという喪失感とを感じました。

それでも、それは点と点となっておそらく人生のどこかで実を結ぶのでしょう。

それはきっと、お客さまがお持ちの点と点と同じように。

どうぞごゆっくりしていかれてください。