大嵜 直人のブログ

別れによって傷ついたココロは、出会いで癒される。私が辿ったそんな物語を「書く」ことをライフワークにしています。

芒種の空に。

日増しに気温が高くなり、真夏日を記録することが増えてきた。 いよいよ、夏である。 二十四節気では、「芒種(ぼうしゅ)」の時候に入った。 「芒(のぎ)」とは、稲や麦の穂先に見える針のような突起のことで、それらの種を蒔くのが、いまの時分とのこと。…

自分を愛するとは、ショーケースに並んだ美しいケーキではなく、生地をこねて生クリームを絞る過程である。

自分を愛する、ということは、状態ではなくプロセスである。 それは正誤善悪の判断をつけるのではなく、すべてを受け入れ続ける、ということでもある。 例えるなら、前者は出来上がった美しいケーキをぴかぴかに磨かれたショーケースに並べること。 そして、…

好きも、嫌いも。ただ、一緒に在る。

夏生まれだからだろうか。 夏が好きだ。 ところが、気温が上がりだすこの時期は苦手なようだ。 例年、暑さに慣れるまでは、どうも気怠く、身体が重い。 好きな季節に向かう嬉しさと、億劫さと。 どちらの感情もそこに在りながら、季節はめぐっていく。 = 季…

断酒日記 【578日目】 ~断酒とはタナトスなのだろうか

先日、町田康さんの「しらふで生きる 大酒飲みの決断」の書評を書いた。 kappou-oosaki.hatenablog.jp 町田康さんの人気もあってか、SNSだったり、いろんな場面でコメントを頂いた。 お酒との付き合いというのは、私に限らず皆がいろいろと思うところがあ…

水無月の紫陽花と、苦情についての追憶。

湿気が上がり、半袖のシャツすらも脱ぎたくなってくる6月。 ときに思い出す、顧客のことがある。 その顧客のもとを訪れた際も、紫陽花が色づき始めた頃だったように思う。 = クレーム、あるいは苦情に対して、「申し訳ございません」とお詫びに上がる仕事…

最高傑作は、風と共に。 ~2020年東京優駿(日本ダービー) 回顧

風を、マイクが拾っていた。 平原綾香さんによる、国家独唱。 本来ならばそこにあるはずの、興奮とざわめきの止まらないスタンドの歓声は、今年は無い。 このダービーの前の国家独唱が、たまらなく好きだ。 天皇賞にも有馬記念にもジャパンカップにもない、…

書評:町田康さん著「しらふで生きる 大酒飲みの決断」に寄せて

久しぶりに書評を。 町田康さんの著書「しらふで生きる 大酒飲みの決断」(幻冬舎刊/以下、本書と記す)に寄せて。 タイトルそのままの通り、「飲みに飲んで、差されれば必ず受け、差されなくても手酌で飲んで斗酒をなお辞さない生活を三十年間にわたって続…

感情は選べないが、思考は選ぶことができる。けれども。

感情を海に例えるならば、思考はその海岸に建つ砂の城なのだろう。 前者は揺蕩うに任せるのみだが、後者は自ら選ぶことができる。 = 感情は日々、瞬間瞬間に湧き上がり、そして消えていく。 どんな感情もコントロールすることはできず、ただ過ぎ去るのを待…

誰かに言いたいことは、自分に言いたいこと、と彼女は言った。

(…しーん…) 「どうした、どんよりオーラ出して」 「いえ…テレワークの古き良き時代を思い出してて…」 「なんだそりゃ。ついこの前まで、オンラインで全てがうまくいくわけでもないんですよね、とか何とか言ってたのを、聞いた気がするぞ」 「だって、すぐ…

せっかくの、風薫る時候なのだから。

雨上がりの朝というのは、気持ちがいい。 その空を眺めながら歩くのは、格別に心地よい。 もうそれだけで、今日は「勝ちゲーム」のような感がある。 さしずめ、エースが登板した試合で、1回裏に3ランホームランが飛び出たような。 そういえば、6月中旬か…

無観客で開催される日本ダービーに寄せて、ウマフリさんに寄稿させて頂きました。

今週末は、いよいよ日本ダービーです。 競馬の祭典とも呼ばれる日本ダービーですが、感染症の拡大を受けて76年ぶりの無観客での開催となります。 私自身も、昨年に引き続いて現地での観戦を企んでおりましたが、やむなくテレビでの観戦となりました。 そん…

ドラマとともに、紡がれる歴史。 ~2020年優駿牝馬(オークス) 回顧

時は小満、日増しに気温が上がり、太陽が力強くなっていくころ。 天地に生命が満ち溢れるといわれる時候。 一年で最も爽やかな2週間は、競馬ファンにとってもたまらない時間である。 2017年に生を受けたサラブレッドの頂点を競うオークスとダービーが、…

ふと思い出す言葉へ、手紙を送ること。

思えば、ワーカホリックに働いていた時代にも、人には恵まれたものだ。 そこから得られたことも多い。 末っ子長男の気質のせいか、年下や部下よりも、年上や役職者の方が付き合いやすかった。 亀の甲より年の功ではないが、やはり年長者の言葉というものは重…

断酒日記【567日目】 ~選んでいるのか、選ばされているのか

さて、断酒567日目である。 1年半前の2018年11月3日から、ずいぶんと遠いところまできたものだ。 ふと、断酒を始めたときのことを思い出す。 = 「実はお酒は、1年半ほど飲んでなくて」と言うと、周りからは「すごい決断をされたんですねぇ」と…

仕事の質と、その人の人格はリンクするという思い込み。

ある仕事の質は、その人の人格に比例するという観念を、私は持っていることに最近気づいた。 それは、仕事でも当てはまるし、言葉、作品…その人からアウトプットされるもの全般に対して、そう思っている。 「いい作品は、いい人がつくる」、と。 行き着く先…

カウンセラー・Abyさんのプロフィールを執筆させて頂きました。

ご縁がありまして、執筆依頼をいただきました。 今回は、人も動物も植物も幸せにするカウンセラー・Abyさんより、プロフィール文の執筆をご依頼いただきました。 lovelyaby.hatenablog.com Abyさんと私はご面識がありませんでしたが、私のこれまでの執筆記録…

夏の花は力強く、されど儚げに。

一雨ごとに、陽射しが熱を帯びるようで。 陽の光の色が、日に日に夏の色になっていく。 もうすぐ、立夏から小満へ。 天地万物に、生命力が満ちるとき。 道すがらの青い色。 この時期の青い花といえば、その形が似ているショウブ、アヤメ、カキツバタとあるが…

雨上がり、いつか見た花は夏色に。 ~愛知県一宮市・真清田神社

一宮市は真清田神社を訪れた。 以前にここで書いたこともあるが、私の生国である「尾張国」の「一之宮」が、この真清田神社である。 ありがたいことに、いまの仕事の絡みで近くに寄ることがあり、その都度少し早めに来て、お参りさせて頂いている。 この日は…

絶対美は、ドラマを越えて。 ~2020年ヴィクトリアマイル 回顧

馬なり、かよ… テレビの前で、思わず声が出てしまった。 最後の直線に入り必死に前で粘ろうとする3頭を、鞭も入れずに交わしていく。 のちの歴史的名馬が、衝撃のデビューを飾った新馬戦のような。 あるいは、インターハイ決勝に出るような高校生が、学校の…

【ご案内】 オンライン:5/23(土)22時~ 第二回「新月の夜のオンライン朗読会」

言葉というものは、不思議なもので。 千年の昔の歌人が詠んだとおり、人を慰める歌にもなる。 力をも入れずして天地を動かし、 目に見えぬ鬼神をもあはれと思はせ、 男女の仲をも和らげ、 猛き武士の心をも慰むるは、歌なり。 古今和歌集「仮名序」 かと思え…

立夏雨情。

この時期の雨は、どこか優しい。 日に日に上昇する気温に身体が堪えることも多いが、その火照りを冷ましてくれるようだ。 雨に対する想いは、そのまま自分自身の状態でもある。 = あの頃、なぜ雨があんなにも気にならなかったのだろう。 天気予報を見る習慣…

「私は無力である」ということの二義性について。

強い光が影を色濃くするように、ものごとには表と裏がある。 それは単純な二面性ではなく、「メビウスの輪」のような形を取る。 気付けば、もといた場所に戻ってくる。 = たとえば、「私は無力である」という想いがある。 ときに、そんな想いに駆られること…

新型コロナウィルスがもたらした行動様式と、罪悪感との相似について。

新型コロナウィルスが現れた後の世界では、罪悪感を癒し続けることが非常に大切なことように思う。 それはとりもなおさず、自分の中の愛を見つめ続けるということでもある。 = 新型コロナウィルスの感染拡大防止のため、いままで当たり前にできたことができ…

子どもは、親がしたくてもできなかったことを、してくれる。

感染症予防のための活動自粛と、それにともなう休校が続いて久しい。 家で子どもと過ごす時間が増え、マリオやドラクエに遊んでもらったりしている。 休校期間も長くなり、小学校から渡された課題のドリルやプリントを教える時間も増えた。 ブーブー言いなが…

日本語の美しさの一つの要因は、語の順番である。

読んでいて美しい日本語とは何だろう、とよく考える。 一つには、それは使われる単語の順番ではないかと、最近つとに思う。 それは、単語の順番を入れ替えても意味が通じるという、日本語固有のものかもしれない。 = こうやって高尚な書き出しをしておいて…

蚯蚓出(みみずいずる) ~ゆっくり、歩こう。

陽射しが、夏である。 透明感がありつつも、どこか感傷的になる、その光の色。 毎年のこととはいえ、夏の訪いは、その別れのセンチメンタルと同居している。 そして、年々そのセンチメンタルに浸るのが、早くなっているようにも思う。 息子は、そんな夏の訪…

5月10日の桜。

日に日に増してきた夏らしさも、一休みのようだった。 夜半から降り出した雨は、優しく地面を濡らしていた。 少し雨が降りやんだところを見計らって、軽く走りに出る。 ここのところ、日中は心地よいというよりも暑いと感じる方が多く、気怠いことがあったが…

離れて見守る、という愛の表現の仕方。

人は、自分がかつて愛してもらったように、他人を愛そうとする。 そして他人に対して、同じような愛し方をするように要求する。 多くの場合、それは幼少期における親からの愛情表現に影響を受ける。 ところが、愛情の表現の仕方というのは、誰しもが同じでは…

本気になる、全力を尽くすことへの怖れ。

本気になれない症候群、というものがある。 本気になれば、自分の力はこんなものじゃない。 あるいは、本気になるのが怖い。 だから、本気にならない、全力を出さない。 耳の痛い話ではあるが、誰にでも思い当たるフシがあるのかもしれない。 本気になること…

断酒日記 【552日目】 ~時間を重ねるという奇跡。

さて、断酒して552日目である。 相変わらず淡々と断酒は続いており、特段記すこともない。 先日、仲間たちとオンラインで話をしていた際に、「どういうときに飲みたくなるか」という話題があった。 居酒屋の雰囲気に飲みたくなるという声もあったが、どち…