大嵜 直人のブログ

別れによって傷ついたココロは、出会いで癒される。私が辿ったそんな物語を「書く」ことをライフワークにしています。

モンゴル800「小さな恋のうた」に寄せて

モンゴル800の「小さな恋のうた」を聴いたのは、 20代半ばの頃だっただろうか。 久しぶりに会った友人の車で、オーディオから流れていた。 www.youtube.com 「いいんだよ、この歌。ノレる」 そう言って、鼻歌でサビを歌っていた友人を思い出す。 ほら あなた…

名古屋駅、ラジオ、野球中継慕情。

都心部、月末、金曜日、夕方、雨。 渋滞する要素をすべて詰め込んだようで、遅々として車は進まなかった。 地下鉄で行くこともできたが、コロナ禍の下で車移動が慣れてしまったせいか、そのまま車で行ってしまおうと思った。 人間の習慣というのは、大きいも…

七夕近し、真清田の空。

四季を味わう、という観点からすれば、梅雨の時期には雨の音を楽しむのが雅というものだろう。 されど、晴れた空の気持ちよさは、やはり何物にも代えがたい。 週間天気予報が雲と傘で埋まる中で、奇跡的によく晴れた文月の日。 一宮市は真清田神社を再訪した…

何かを失うことへの怖れについて。

昨日のエントリーで、夏の寂寥感について書いた。 kappou-oosaki.hatenablog.jp すなわち、夏が孕む寂寥感というのは、「夏至を過ぎて、太陽の力(=生命力)が失われていくことへの根源的な怖れ」なのではないか、と。 そこからもう一歩、考えを進めてみる…

夏の寂寥感に関する考察、夏至と失われゆくものについて。

夏生まれだからだろうか、夏が好きだ。 けれど、同時に夏は寂寥感も運んでくる。 夏の暑い盛りは、なぜか死や終わりを連想させる寂しさがある。 それは、お盆を過ぎて、夏休みが終わろうとするあの切なさを、学生時代が終わってもまだ後生大事に抱えているの…

クワガタの発掘に、遠い昔の記憶を想うこと。

昨年の夏の終わりから、息子とクワガタの幼虫を飼っている。 クワガタの幼虫の飼育というのは難しいらしく、私も少年時代にそう聞いていた。 しかし、今はこのような「菌糸ボトル」が普及しホームセンターで売られており、これに幼虫を入れて、定期的に菌床…

湿気とアヤメ。

雨が降ったり止んだり。 湿気の多い日が続く。 夏至も次侯になり、「菖蒲華(あやめはなさく)」の時候。 「アヤメが咲くと梅雨到来」と言われるように、その紫色が世界を彩るころ。 夏本番前の湿気の多い曇り空、あるいはよく雨の落ちるこの時期には、紫色…

最大着差の最大幸福。 ~2020年宝塚記念 回顧

阪神内回りコース、2,200mという非根幹距離、開催最終週、そしてパンパンの良馬場にはならないこの梅雨時期の気候。 宝塚記念に求められる資質は、「府中・根幹距離・パンパン良馬場」で開催されることの多い主要GⅠとは異なる。 それだけに、この宝塚記念が…

宝塚記念の思い出に寄せて、ウマフリさんに寄稿させて頂きました。

梅雨時期の仁川を彩る、夏のグランプリ・宝塚記念。 一年間の総決算となる年末のグランプリ・有馬記念とは異なり、どこか優しく、どこか「夢」というフレーズが似合うように感じます。 1996年、あの年の宝塚記念の記憶とともに、そんな記事をウマフリさんに…

書評:飯尾さとみさん・飯尾淳子さん共著「京都のお酢屋のお酢レシピ」に寄せて

今日はKADOKAWA(アスキーメディアワークス)出版、飯尾淳子さん・飯尾さとみさん著、「京都のお酢屋のお酢レシピ」に寄せて書いてみたい。 ここで何度も紹介させて頂いている京都・宮津の飯尾醸造さんのお酢を使ったレシピ本である。 飯尾醸造さんについて…

夕暮れを走る、夏至のころ。

ランニングを、ゆるく続けている。 走ること自体は好きなのだが、そこに至るまでの着替えや準備が億劫だということが、ようやく最近分かってきた。 なので、夏は着替えも楽で、私にとっては走ることを続けやすいのかもしれない。 走ること自体は、もやもやし…

断酒日記 【600日目】 ~誘われなくなった。

さて、断酒も今日でちょうど600日目を迎えた。 狙ったわけではなく、たまたま断酒のブログを書こうと思って調べたら、ちょうど切りのいい数字だった。 無意識では、気づいていたのだろうか。 = そんなキリのいい日に、以前に仕事の絡みでよく呑んでいた…

脱稿の魔力。

依頼されていた文章を、昨日の夜に納品させて頂いた。 ここに書くのは、自分の好きなように書いているので、もうほとんど感じないのだが、やはり「依頼されて」書く文章を納品する際は、緊張する。 それはきっと、 相手によく思われたい、といういい子ちゃん…

ほんの小さなものを、そっと守り続けること。

それが絵画であれ、文学であれ、音楽であれ、あるいは舞台や漫画、映画であれ。 おおよそどんな方法であっても、表現をすることを生業とする者ができることがあると、信じている。 それは、「ほんの小さなもの」を、それがそこにあるよ、と指差すことである…

夏至の空に。

梅雨入り前から、湿度の高い真夏日が続いていた。 しかし、ここ1週間ほどは曇り空と雨が続いたこともあり、気温も落ち着いている。 エアコンもしばらくつけていない。 そんな今日は、夏至である。 一年で最も昼の時間が長く、太陽の力が強い日、陽中の陽。 …

紫陽花と天道虫。

梅雨の合間の空の下。 紫陽花の上を天道虫が歩く。 とことことこ。 とことことこ。 六本の足をしきりにもぞもぞと動かし、頭を振ってあっちへ、そしてこっちへと。 何かを探しているようにも、喜びに満ちた舞いを披露しているようにも見える。 一輪の紫陽花…

自分がエネルギーを向けたい先を、見つめ直す。

自分のエネルギーを、誰に向けたいか。 自分を否定していたり、自分の価値や魅力を認められないときほど、そのベクトルは自分と無関係な誰かや、あるいは自分に対して否定的な誰かに向いてしまう。 それは、国技館へ大相撲を観に来た客に、どうにかしてボイ…

ある春の日、桜を摘んだ思い出。

よく晴れた春の日、満開の桜が空を染めていた。 川沿いの桜並木を、息子と娘と歩いた。 息子は、たいそう桜を喜んで愛でていた。 その姿を見て、私は何歳くらいから桜という木の持つ特異性、すなわちその美しさ、はかなさ、そして強さを認識していたのだろう…

ときには、マスクを外して深呼吸を。

梅雨の中休みだろうか、晴れ間が広がる。 陽の光の強さは夏を思わせるが、空に広がる色は、どこかまだ優しさを残していた。 頬を撫でる風もどこか優しく、心地よい新緑の季節の忘れ物のようだ。 名残を置き土産にしながら、季節は流れていく。 = 川沿いの紫…

名曲は、簡単に時空を飛び越えさせてくれる。

建物を出た瞬間、熱気と呼べるような空気にあてられた。 アスファルトからの照り返しが、その熱気をさらに強調するようだった。 夏の乾いた暑さは耐えられるのに、この梅雨の合間の晴れた日の蒸し暑さときたら。 右手で陽を遮りながら、急いで車に乗り込む。…

その雨は、梅の実を色づける。

「梅雨入り」が宣言されると、不思議と晴れ間が続くことがよくある。 けれど今年は、梅雨入り宣言から見事に一週間、まさに「梅雨空」という天気が続いた。 洗濯物を干す場所に困り、部屋干しで生乾きになってしまうのも、梅雨ならではある。 カビが生えやす…

【ご案内】オンライン:6/21(日)22時~ 第三回「新月の夜のオンライン朗読会」

私が執筆させて頂きました作品を、朗読いただく機会をまた頂きました。 朗読いただく作品は、 カウンセラー/手紙屋の宮本朋世さんのご依頼で執筆させて頂いた「神降ろし」となり、宮本様ご本人が朗読されます。 6月21日(日曜日)、22時~オンラインに…

書評:根本裕幸さん著『「いつも無理してるな」と思った時に読む本』に寄せて

今日は書評を。 心理カウンセラー/セミナー講師/ベストセラー作家の根本裕幸さんの『「いつも無理してるな」と思った時に読む本』(大和書房、以下「本書」と記す)に寄せて。 1.心のメイク、あるいはペルソナ 2.「自分ではない何者か」になろうとする…

断酒日記 【588日目】 ~外に答えを求めない。霊性はしらふに宿る。

さて、断酒588日目である。 月数にすれば、19か月と少し。もう日数よりも、月数の方がピンとくる期間になってしまった。 kappou-oosaki.hatenablog.jp 先般、書評を書いた町田康さんの「しらふで生きる」を読み返してみたりしている。 町田さんの書評に…

なんで男って生きものは、素直に「ごめんなさい」が言えないんですかね、と彼女は言った。

(ガチャガチャガチャ…ターン…ガチャガチャガチャ…) 「…………」 (ターン…ガチャガチャガチャ…ターン…) 「なんだなんだ、さっきから。ガチャガチャとタイピングうるさいな。それに、そんなに強くEnterキーを叩くと壊れるぞ」 「ふんっ、壊れないですよ、アタ…

腐った草が蛍になるように、一雨ごとに花を咲かせる紫陽花のように。

時に芒種、ぼうしゅ。 芒(のぎ)と呼ばれる、針のような穂先を持つ稲や麦といった植物の種を蒔く時候。 時に腐草為蛍、くされたるくさほたるとなる。 この時期の里山をほのかな光とともに舞う蛍は、昔は腐った草がかたちを変えた生きものと考えられていた。…

もしも、世界が音であったなら。

もしも。 もしも、世界が音であるならば。 それは、どこまでも広がりゆくものかもしれない。 それは、ただ浮かび、ただ消えゆくものかもしれない。 それは、聴くことで初めて姿を現すものかもしれない。 それは、そこに在ることを伝えるためのものかもしれな…

スローランニング情景。

ゆっくりと、走る。 淡々と、粛々と。 自分が思っているよりも、うんと、ゆっくりと。 景色が流れるままに任せる。 陽が沈んでいく。 世界が黄金色に輝き、やがて色を失っていく。 ゆっくりと、走る。 = 瞑想とランニングは似ている。 それは、ただ流れてい…

水無月、府中への帰還。 ~2020年安田記念 回顧

ダービーが終わった後は、どうしても「祭りのあと」の虚脱感と弛緩がある。 あぁ、今年も終わってしまった、と。 けれども、翌週から行われる新馬戦と安田記念が、いつもその虚脱感を現実に引き戻してくれる。 私が競馬を見始めた頃は、夏の新馬戦と言えば、…

問題を解決しようとするよりも、ビジョンを観ることを。 ~クワガタ戦記2020

梅雨入り前の時期、一昨年、昨年とお世話になった同僚の「クワガタ先生」から目撃情報が入った。 そう、クワガタである。 梅雨入り前のこの時期から出始め、梅雨明けからはカブトムシと入れ替わる。 息子にそれを伝えると、一にも二にもなく、すぐ行く、と言…