大嵜 直人のブログ

別れによって傷ついたココロは、出会いで癒される。私が辿ったそんな物語を「書く」ことをライフワークにしています。

追憶

小さな自分とキャッチボールをして寂しさが癒された春の日。

朝から少し雲が出ていたが、雲の合間からは日差しが覗いている。 手帳を見ていると、万物清らかな「清明」から、穀物に実りの雨をもたらす「穀雨」に節気は移っていることに気づく。 少し前まで冬物のコートを着込むほどに冷え込んでいたのに、季節が変わる…

生きるとは、愛を思い出す旅。

朝から気持ちよく晴れた春の日。 気持ちよく晴れ過ぎて花粉が絶好調のようで、寝起きからくしゃみが止まらない。 息子と娘の入学式だった。 桜も今年はのんびりとしてくれて、息子の希望通りに入学式の日まで、その花を散らさずに保ってくれた。 ランドセル…

世の中に たえて桜の なかりせば

決めていたわけでもないが、週末にまた晴れたので誘われるように近所の公園に花見に訪れた。 公園までの道のりでも、いたるところで桜の木の下でレジャーシートを広げ、花見をしている方たちが見えた。 春麗。 うららかな、春。 そんな言葉が思い浮かぶ。 先…

ぼんぼりが朱く染める桜を眺めながら、どうでもいいような過去を想い出す夜

近所の川沿いの桜並木に、ぼんぼりが設置されていた。 その灯りが照らす桜を見たくなって、日が暮れてから川沿いを歩いた。 久しぶりに眺める、夜桜だった。 まるで冬に逆戻りしそうな、ここのところの寒さのせいか、 あるいは、遅い時間のせいか、 桜並木は…

眠れぬ夜に「かなしさ」と「いとしさ」について想うこと。

美しさが、残酷さや卑猥さの際にあるように、 愛しさとは、悲しさの際にあるのかもしれない。 = ぼんやりと目が覚めると午前1時過ぎだった。 日付は4月1日に変わった。 会社や学校といった多くの組織で新年度になり、いろんなことが変わる日。 まして、…

いつか見た夢。

虹の足元を見た日の翌日。 kappou-oosaki.hatenablog.jp 旅行疲れなのか、なにがしか感情が動いたのか、強い眠気を覚える。 その眠い頭を動かしながら、日常に戻っていたのだが、なぜか「夢」という言葉が、頭に残っていた。 「夢」とは何だろう。 遠くにあ…

2月終わりの雨と、鉄錆のすえた匂いに。

気づけばもう2月も終わりだった。 もう週末には春の訪れを告げるクラシックトライアル、チューリップ賞と弥生賞が控えている。 しばらく暖かい日が続いていたが、朝から冷たい雨が梅の花を濡らしていた。 三寒四温。 寒くなったり暖かくなったりしながら、…

よく晴れたあの空へ、悲しみを。あの日と同じ色をした空に。

根本理加さんのブログでご紹介をいただきました。 ステキな言葉の数々、ありがとうございます。 ameblo.jp すごく癒されました そう仰っていただいてますが、逆に癒されたのは書いた私の方で。 書くことは、私にとって生きること、そして癒しのようです。 =…

北の星空に響く美しきあの音色を想うこと。

ameblo.jp その写真を見たときに、私の中で何かが壊れた気がした。 涙が流れる。 人に見られない場所に隠れてひとしきり泣いたあとに、私はその音色に想いを寄せた。 名古屋と比べるには、あまりにも涼しい7月の北の大地。 その空の下のピラミッドで聴いた…

親の心が、プロジェクター。その内面を、子どもという真っ白なスクリーンに映し出す。

親の心が、プロジェクター。 その心の中で輝いている「光」や、あるいは蓋をしてなかったことにしている「闇」が、子どもという真っ白なスクリーンに鮮やかに拡大して映し出される。 驚くべきことに、親がしたかったこと、言いたかったこと、我慢していたこ…

さびしさこそ、わがライフワーク。

ときに春は、人の心の奥底に沈んだ思い出を、灰汁のように浮かび上がらせる。 半崎美子さんの「お弁当ばこのうら」を朝の車の中で聴きながら、もの思いにふける。 www.youtube.com あなたの好きなものばかり 入れられないのよ 許してね 体のことも考えて作っ…

故人を想う、ということについて。

徹夜明けは眠りの質が浅い。 学生時代に麻雀牌に遊んでもらったときから、そうだった。 歳を重ねてもそれは変わらないようで、何日かの仮眠を経て久しぶりに自宅の床で横になれたが、真っ暗な中で目が覚める。 午前4時。目の慣れぬ暗闇。眠っていない感覚。…

父の愛した電車と、母の愛した高校と。

昨日の雪空とはうって変わって、抜けるような青空だった。 けれど冬将軍は居座ったままのようで、 風は冷たく鼻腔を刺激する。 菩提寺まで、自宅から車で小一時間。 5時から活動していた子どもたちは、 5分で眠りに落ちた。 八事の山を越えて、 栄の100…

いびつな器を愛でるように、いびつな自分を。

先日、作陶体験をした愛知県陶磁美術館を再訪した。 その際のエントリーはこちら。 kappou-oosaki.hatenablog.jp あれから1ヶ月、焼きあがった陶器を引き取りに訪れたのだ。 その際につくった作品がこちら。 お茶碗と小鉢を作ったつもりだったのだが、はた…

言えなかった言葉と、癒えなかった傷

言えなかった言葉たちの裏には、 どうしても愛してほしかった自分がいる。 暗い部屋の中で膝を抱え、虚ろな目をしている私。 暗い闇の中で、差し出される手に悪態をつく私。 欲しいものが手に入らず、癇癪を起こして床をのたうち回る私。 彼らを封印して仮面…

「痛み」について

「痛み」について。 「痛み」は、最初はある特定の事象への反応として現れる。 愛する者との別離。 打ち砕かれた青い夢。 周囲からの無理解と批判。 子どもの治らぬ病。 もう戻らないあの美しい時間。 届かなかった胸の奥底の想い。 ・・・それらは悲しさと…

また会いたいな。

傷つくほどに、繊細になれた。 繊細になるほどに、分離していった。 分離するほどに、孤独になれた。 孤独になるほどに、奥歯は磨り減っていった。 磨り減った奥歯の欠片は、 優しさになった。 優しくなるほどに、世界は美しくなった。 あなたのいない世界は…

誰が書いているのか分からないが、人生は完璧なプロットだ。

週末の日曜日。 息子に急き立てられて車を走らせた先は、幼い頃に母親の車で訪れた公園だった。 港沿いの大きな国道を走らせ、北へ曲がる。 私を乗せた私の車は、きっとその反対方向から来たのだろう。 それが合流する交差点で左折すると、見覚えのある大き…

ずっと、絵を描きたかったんだ。

ジュリア・キャメロン著 「The Atrtist's Way(邦題:ずっとやりたかったことを、やりなさい。)」 の実践ワーク8日目。 「モーニング・ページ」を書き始めて6日目。 今しがた、びっくりすることが起こった。 自分がやりたかったことが、「絵を描くこと」…

いつか、また会える

休日の昼下がり、息子と「自転車ドライブ」に出た。 秋の風が頬を抱くのが、心地よい。 同じ気温の春先とは違う心地よさ。 あちらはこれから徐々に気温が上がっていくという一種の「暑苦しさ」があるのだが、この時期の急須に入れた緑茶が冷めていく自然な心…

溢れる水を受け取れなかった男の話

名古屋駅から四つ目だったか。 7年も住んだのに、そんな記憶も不確かだ。 中村公園駅の古びたホームは、いつも梅雨時期の湿った匂いがした。 あの日、2番出口を出ると土砂降りだった。 さすがに呑みすぎて、足元がおぼつかない。 同期との飲み会を終えて、…

霜降に、古い写真に写るあの日の笑顔を想うこと

今日は二十四節気の一つ、「霜降」。 文字通り、北国から順に霜が降り始める時期。 動物たちの冬支度も、この節気のころから少しずつ始まる。 人の思考や感情は、周りの気候というものに影響されるといわれる。 「芸術の秋」とも言われるように、感情が大き…

菊花賞に寄せて、亡き父の思い出を「ウマフリ」さんに寄稿させて頂きました

昨日は全国的に秋晴れだったそうです。 名古屋でも雲一つない青空が、色づいてきた木々によく映えていました。 そんな錦秋の真っ只に行われた菊花賞に寄せて、 「ウマフリ」さんに寄稿させて頂きました。 懐かしい20年前の菊花賞。 昨日と同じような青空の…

親、という人生のキーストーンについて

「私の両親は幸せな人生を送った」 と信じられることが、 「その両親から生まれた私も、幸せな人生を送ることができる」 と信じられることにつながる。 両親の人生を肯定する、という事と 自分の人生を肯定する、ということは同義だ。 = まだしぶとく私が毎…

忘れるということは、思い出すためにあるのかもしれない 〜愛知・犬山市「お菓子の城」訪問記

小さい頃の記憶を鮮明に覚えている人と、割とそうでもない人がいる。 小学生くらいの頃に友達と話したやりとりを詳細に覚えている人もいれば、自分が浸かった産湯のタライの金具の色を覚えているという人の話も聞いたこともあるが、私は後者の方だと思う。 …

ブラームス、ヴェンゲーロフ、ヴァイオリン・ソナタ、そして石川さゆり

ブラームスのヴァイオリン・ソナタ第3番ニ短調、第2楽章が好きだ。 初めて聴いたのは、20歳か21歳か、その頃だったように記憶している。 サントリーホールかどこかの大ホールで、マキシム・ヴェンゲーロフの演奏だった。 自分から行こうとチケットを取…

自己確信の恩恵、そして愛について

葛藤を経て、自己確信を深めるごとに、分かることがある。 どれだけ嘆き、苦しみ、悲しみ、投げ出し、暴れても、 その先に、わたしはわたしを見る。 あぁ、またここに戻ってきた。 心の中にある原初の風景に、何度でも戻る。 戸惑い、傷つき、立ち止まり、引…

続く秋雨の空に、別離と不在を想うこと

昨日書いた「別離と不在」についての続きを。 先週末から続く雨の影響か、今朝の名古屋は涼しいというよりも肌寒いくらいだった。 ここのところ残暑という言葉を見かけなくなった。 おそらくいままでの中でも最も暑かったと思われる、40度を越えるような猛…

美しさは、悲しみの際に

孤独とは、その人の置かれている社会的な状況を指すのではなく、「私は孤独です。寂しいです。」ということが言えない心理状態を指す。 どれだけ多くの人とつながっていようと、自らの抱えている心の闇を吐き出すことができなければ、人は孤独感に苛まれる。…

「お前に腹を割って相談できる相手が、一人でもいたらな」

今から8年ほど前、前職を辞めるときにそれを報告した取引先の方から言われました。 「もったいねえな。お前に腹を割って相談できる相手が、一人でもいたら、また違っていたんだろうな」 当時、もう60歳を過ぎていたオーナー社長で、北海道の取引先の方で…