大嵜 直人のブログ

別れによって傷ついたココロは、出会いで癒される。私が辿ったそんな物語を「書く」ことをライフワークにしています。

旬の口取り

立秋。もう「残暑」と表現しなければならぬ寂しさよ。

秋、立てる日。 暦の上では、もう秋が来てしまったようだ。 七十二侯では「涼風至すずかぜいたる」、夏の暑い風から、秋の涼しい風が吹き始めるころ。 暑さはまだまだ厳しいが、ほんのわずかな風の色の移り変わりに、先人たちは心を寄せてきた。 食材の「走…

8月6日、祈り。

思ったよりも早く着いた。 すでに夏の力強い陽射しが、熱田神宮の杜を照らしていた。 車のドアを開けた途端に、蝉の声がシャワーのように降ってきた。 午前中によく鳴く、クマゼミの声。 息子がいたら、大喜びするのだろうか。 朝の早い時間、人気は少なかっ…

夏色が、足りない。

夏色が、足りない。 ようやく梅雨明けしたものの曇り空が続いて、夏の陽射しが感じられない。 あるべきところに、あるべきときに、あるべきものがないと、どこか心はぽっかりと穴が開いたように感じられるものだ。 夏生まれで夏が好きな私にとって、うざった…

夏色、世界を彩る情感のように。

梅雨が、明けた。 例年のよりも長かったが、それでも文月の終わりととももに、明けたようだ。 この7月、東京では全く雨の降らなかった日が一日だけだったと聞く。 この名古屋でも、一日の中のどこかで雨が降る日がずっと続いていたように思う。 なればこそ、…

生まれたときに世界から祝福されたように、自らを祝福するように。

時に、大暑。 時に、土潤溽暑・つちうるおうてむしあつし。 一年の中で、最も厳しい暑さの時期。 …のはずが、どうしたことだ。 長引く梅雨に、なかなか青空は見えず、強い陽射しはどこへやら。 ようやく梅雨明けの声が聞こえ始めたが、関東以北の梅雨明けは8…

大暑。あまりにも短き、夏よ。

今日は大暑、一年で最も暑さが厳しく感じられる時期。 まさに、夏本番。 今年は梅雨明けが平年よりも遅いが、それでも今日という日を待ち構えていたかのように、まさに夏の陽射しだった。 夏を夏らしく楽しむには、夏は短すぎると思うのだ。 スイカも食べな…

雨上がりの夕焼けは黄金色に染まって。

長雨が続く。 明けない、梅雨。 それでも、昼前からやさしくなった雨足は、昼過ぎには止んだ。 夕方には、雲の切れ目から陽の光も見えた。 その色は、夏の力強さというよりは、久しぶりに地を照らすやさしい色をしていた。 午後7時過ぎ。 先月の下旬、夏至の…

蓮始開、アガパンサス、蝉の声。

ぼんやりとした目覚めに、蝉の声を、聞いた。 シャーシャーシャーシャーと鳴くあれは、クマゼミの声だろう。 今年初めての、夏の声だった。 息子もそれを聞いたようで、朝食も早々に早速の蝉取りに駆り出される。 一年ぶりに倉庫から引っ張り出したタモを握…

小暑、七夕。

梅雨が明け、本格的な暑さがやってくる「小暑」。 温風至、あつかぜいたる、の時候。 日増しに上がる気温。 聞こえだす蝉の声。 入道雲。 暑中見舞い。 カブトムシ。 ラムネ、かき氷。 夏が、やってきた。 今年は「七夕」と一緒に訪れたようだ。 せっかくの…

夏の寂寥感に関する考察、夏至と失われゆくものについて。

夏生まれだからだろうか、夏が好きだ。 けれど、同時に夏は寂寥感も運んでくる。 夏の暑い盛りは、なぜか死や終わりを連想させる寂しさがある。 それは、お盆を過ぎて、夏休みが終わろうとするあの切なさを、学生時代が終わってもまだ後生大事に抱えているの…

湿気とアヤメ。

雨が降ったり止んだり。 湿気の多い日が続く。 夏至も次侯になり、「菖蒲華(あやめはなさく)」の時候。 「アヤメが咲くと梅雨到来」と言われるように、その紫色が世界を彩るころ。 夏本番前の湿気の多い曇り空、あるいはよく雨の落ちるこの時期には、紫色…

夏至の空に。

梅雨入り前から、湿度の高い真夏日が続いていた。 しかし、ここ1週間ほどは曇り空と雨が続いたこともあり、気温も落ち着いている。 エアコンもしばらくつけていない。 そんな今日は、夏至である。 一年で最も昼の時間が長く、太陽の力が強い日、陽中の陽。 …

紫陽花と天道虫。

梅雨の合間の空の下。 紫陽花の上を天道虫が歩く。 とことことこ。 とことことこ。 六本の足をしきりにもぞもぞと動かし、頭を振ってあっちへ、そしてこっちへと。 何かを探しているようにも、喜びに満ちた舞いを披露しているようにも見える。 一輪の紫陽花…

ときには、マスクを外して深呼吸を。

梅雨の中休みだろうか、晴れ間が広がる。 陽の光の強さは夏を思わせるが、空に広がる色は、どこかまだ優しさを残していた。 頬を撫でる風もどこか優しく、心地よい新緑の季節の忘れ物のようだ。 名残を置き土産にしながら、季節は流れていく。 = 川沿いの紫…

名曲は、簡単に時空を飛び越えさせてくれる。

建物を出た瞬間、熱気と呼べるような空気にあてられた。 アスファルトからの照り返しが、その熱気をさらに強調するようだった。 夏の乾いた暑さは耐えられるのに、この梅雨の合間の晴れた日の蒸し暑さときたら。 右手で陽を遮りながら、急いで車に乗り込む。…

その雨は、梅の実を色づける。

「梅雨入り」が宣言されると、不思議と晴れ間が続くことがよくある。 けれど今年は、梅雨入り宣言から見事に一週間、まさに「梅雨空」という天気が続いた。 洗濯物を干す場所に困り、部屋干しで生乾きになってしまうのも、梅雨ならではある。 カビが生えやす…

腐った草が蛍になるように、一雨ごとに花を咲かせる紫陽花のように。

時に芒種、ぼうしゅ。 芒(のぎ)と呼ばれる、針のような穂先を持つ稲や麦といった植物の種を蒔く時候。 時に腐草為蛍、くされたるくさほたるとなる。 この時期の里山をほのかな光とともに舞う蛍は、昔は腐った草がかたちを変えた生きものと考えられていた。…

問題を解決しようとするよりも、ビジョンを観ることを。 ~クワガタ戦記2020

梅雨入り前の時期、一昨年、昨年とお世話になった同僚の「クワガタ先生」から目撃情報が入った。 そう、クワガタである。 梅雨入り前のこの時期から出始め、梅雨明けからはカブトムシと入れ替わる。 息子にそれを伝えると、一にも二にもなく、すぐ行く、と言…

芒種の空に。

日増しに気温が高くなり、真夏日を記録することが増えてきた。 いよいよ、夏である。 二十四節気では、「芒種(ぼうしゅ)」の時候に入った。 「芒(のぎ)」とは、稲や麦の穂先に見える針のような突起のことで、それらの種を蒔くのが、いまの時分とのこと。…

好きも、嫌いも。ただ、一緒に在る。

夏生まれだからだろうか。 夏が好きだ。 ところが、気温が上がりだすこの時期は苦手なようだ。 例年、暑さに慣れるまでは、どうも気怠く、身体が重い。 好きな季節に向かう嬉しさと、億劫さと。 どちらの感情もそこに在りながら、季節はめぐっていく。 = 季…

水無月の紫陽花と、苦情についての追憶。

湿気が上がり、半袖のシャツすらも脱ぎたくなってくる6月。 ときに思い出す、顧客のことがある。 その顧客のもとを訪れた際も、紫陽花が色づき始めた頃だったように思う。 = クレーム、あるいは苦情に対して、「申し訳ございません」とお詫びに上がる仕事…

せっかくの、風薫る時候なのだから。

雨上がりの朝というのは、気持ちがいい。 その空を眺めながら歩くのは、格別に心地よい。 もうそれだけで、今日は「勝ちゲーム」のような感がある。 さしずめ、エースが登板した試合で、1回裏に3ランホームランが飛び出たような。 そういえば、6月中旬か…

夏の花は力強く、されど儚げに。

一雨ごとに、陽射しが熱を帯びるようで。 陽の光の色が、日に日に夏の色になっていく。 もうすぐ、立夏から小満へ。 天地万物に、生命力が満ちるとき。 道すがらの青い色。 この時期の青い花といえば、その形が似ているショウブ、アヤメ、カキツバタとあるが…

立夏雨情。

この時期の雨は、どこか優しい。 日に日に上昇する気温に身体が堪えることも多いが、その火照りを冷ましてくれるようだ。 雨に対する想いは、そのまま自分自身の状態でもある。 = あの頃、なぜ雨があんなにも気にならなかったのだろう。 天気予報を見る習慣…

蚯蚓出(みみずいずる) ~ゆっくり、歩こう。

陽射しが、夏である。 透明感がありつつも、どこか感傷的になる、その光の色。 毎年のこととはいえ、夏の訪いは、その別れのセンチメンタルと同居している。 そして、年々そのセンチメンタルに浸るのが、早くなっているようにも思う。 息子は、そんな夏の訪…

5月10日の桜。

日に日に増してきた夏らしさも、一休みのようだった。 夜半から降り出した雨は、優しく地面を濡らしていた。 少し雨が降りやんだところを見計らって、軽く走りに出る。 ここのところ、日中は心地よいというよりも暑いと感じる方が多く、気怠いことがあったが…

立夏に覚える寂寥感。

夏立てる日、立夏。 少し前まで、まだ朝晩の寒さがどうのと言っていた気がするが、もう暦の上では夏だ。 空の色は、まだ春のぼやけた色を残しながらも、陽射しの匂いに夏を感じる。 一年のなかで、最も気持ちがいい気候の時期だ。 やはり、この色の空には、…

桜の散り様が美しいように、しおれたツツジもまた美しい。

季節の流れは、ひと時も「そこ」に留まらない。 5月の初めまで咲いて楽しませてくれた桜の花は、いまはもう新緑の緑に包まれている。 言い尽くされてきたことだが、桜の花の美しさの理由の一つは、その散り際にある。 一斉に春を告げたかと思うと、何の未練…

一年ぶりの皐月の風を、胸いっぱいに吸いこんで。

気付けば4月も終わり、皐月の季節に入った。 折しも今日は八十八夜。 立春から数えて88日目であり、「夏も近づく八十八夜…」の唱歌を想起させる。 例年は5月2日がその日なのだが、今年は閏年につき5月1日が八十八夜になるとのこと。 春立てる日から、…

「昭和の日」の水面に、過ぎゆく平成の日々を思い出すこと。

昭和の日。 昭和生まれの私にとっては、「天皇誕生日」もしくは「みどりの日」の名称の方が、しっくりくるのだが。 調べてみると、2007年(平成19年)施行の改正祝日法で「昭和の日」と名を変えたそうだ。 すでに10年以上も経っていることに、驚きを…