大嵜 直人のブログ

別れによって傷ついたココロは、出会いで癒される。私が辿ったそんな物語を「書く」ことをライフワークにしています。

旬の口取り

秋の日はつるべ落としに。

秋らしい晴れ方の空に誘われて、近所の公園へ。 徐々に燃えゆく緑が、秋の深まりを感じさせる。 青、緑、赤。 「光の三原色」と呼ばれる三つの色。 混ぜ合わせると明るくなり、限りなく白に近づいていく配色。 これから白い季節に向かうことを暗に示している…

りっとう。栗東ではなく、立冬。

りっとう と聞いて栗東市を思い浮かべるのは、滋賀県に縁が深い方か、お馬さんに頭が毒されている輩かのどちらかだろう。 ということで、今日は立冬。 冬、立てる日。 冬が「立つ」という表現がなんとも素敵だなと思うのだが、初雪の便りが届いたり、冬の季…

枯れゆく中に、命の息吹は宿る。

もう週末には、暦の上で冬である。 気付けば、朝晩は冷え込むようになってきた。 秋もまだ満喫していないような気がするのだが、時の移ろいは早いものだ。 = 先日、可憐な紫の花を咲かせていた、アレチヌスビトハギ。 このアレチヌスビトハギについてのエン…

紅い、霜月。

時に霜月。 朝晩の空気の冷たさが、染みるようになってきた。 見上げれば、陽の光の透明感が増した。 空気が冷えて、澄んできたのか。 もう来週には、暦の上では冬が始まる。 その名の通り、霜が降りるのも近いのだろう。 あれは、小学生何年生のころだった…

霜降。雨は、やさしく。

ベッドの中で目を閉じるが、なかなか眠りは訪れてくれなかった。 それでも、屋根を叩く雨の音はどこか心地よかった。 初秋に夏の名残を和らげる雨。 台風がもたらす激しい雨。 急に降り出す秋時雨。 晩秋の落ち葉を濡らす冷たい雨。 さまざまな秋の雨の情景…

露草と白粉花。時はいつか満ちるもの。

自転車の修理が完了したとの電話が入ったため、息子と散歩がてら自転車店まで歩く。 まだらな雲が空に浮かんでいた。 割と強い陽射しに汗ばむ陽気だったが、時折吹く風はひんやりとして秋を感じさせる。 路傍の青色に、目が留まった。 ちいさな青い花に、黄…

ときに秋は群青色と飴色に似て。

日に日に秋は深まり、空の色が深みを増していくようだ。 群青色、桔梗色、紺藍、菖蒲色…青の色の名前をどれだけ連ねても、この空の色を表すには足りないような気がする。 台風が過ぎ去ったあとは、空気が澄んでおり透明感がある。 叩きつけるような雨と暴風…

瞬間にこそ愛は宿る。

いつもの通り道。 2,3日前に、薄紫とピンク色をした花が咲いているのを見つけた。 秋の花は、なぜか物哀しい色をした花が多いように思う。 最近知ったのだが、「うれい」とは「憂い」とも書くし、「愁い」とも書く。 「秋の心」と書いて、「うれい」。 な…

寒露の頃に路傍の花の名を想うこと。

先週末も日中は30度を超えて、クーラーをつけていたような気がするが、気付けば朝晩の涼しさは少しひんやりとした冷たさを覚える。 いつの間にやら、寒露の節気に入っている。 朝の空気は澄み、草や葉に冷たい露が宿る。 秋の深まりを感じる中、農作物の収…

花は誇らず。

早いもので、気付けば10月、神無月に入った。 午後6時に外に出ると、すでに夕闇があたりを包み始めていた。 つい先日まで、7時を過ぎてもまだ明るくて、仕事終わりにキャッチボールをして遊んでいたような気がするのだが。 季節の移ろいは、早い。 そし…

秋分の日に「だいじょうぶ」という言葉について想うこと。

「だいじょうぶ」という言葉は、二義的である。 「悪いことは起こらないから、だいじょうぶ」という意味と、 「悪いことなど何もないから、だいじょうぶ」という意味と。 前者は希望であり、後者は信頼であるといえる。 どちらでも、「だいじょうぶ」なのだ…

千年の昔から愛でられてきた名月を見上げて、「魚屋ごんべえ」さんで秋の酸味が沁みた夜。

少し前まで、夜中も暑くてクーラー全開だったのに、いつのまにか朝晩の風は涼しく、クーラーなしで過ごせるようになった。 秋の訪いというのは、静かに、それでいて確実に訪れるようだ。 一日、一日を過ごしていると見落としてしまうが、ふと立ち止まると、…

タネとりものがたり。

夏休みに入る際に、子どもたちが持ち帰ってきた朝顔をベランダで育てている。 夏の朝に咲く前の美しい蕾を見せてくれたり、毎日変化があり目を楽しませてくれる。 その朝顔が咲いた後の蕾が割れて、タネが出てきた。 タネは次の新一年生に配るらしいので、集…

処暑を過ぎて。

処暑を過ぎて。 雲の形が、変わった。 人知の及びのつかぬ怪物のような入道雲は姿を消し、 いつしか切れ切れになった秋の雲が流れている。 風が、澄んだ。 外気に触れた瞬間のうだるような熱気はどこにもなく、 どこか静謐さと諦念をはらんだ風が吹いている…

向日葵に寄せて。

向日葵が好きだ。 好きな季節の夏の象徴であり、「ひまわり」という名前も好きだ。 街中で見る小さな花のものもいいが、やはり抜けるような青空をバックにした大きな花は、夏の花だという感じがして、見ていて飽きない。 その大きな向日葵は、女性的なたおや…

fireworks.

ひらひらした持ち手の赤色の部分を持つ感触が、久しぶりだった。 風が吹けばどこかへ飛んでいきそうな、軽い感触。 逆側にある先端の、火を点ける部分のふくらみを見ると、いつも蜂のお腹のようだと思う。 ジジジ、と音がしてロウソクの火が赤い穂先に燃え移…

収穫までのプロセスのよろこびに比べれば、結果の良し悪しなんてほんのささいなことなんだ。

とかく人は「結果」を見たがる。 いくつの、どれだけの、何々と比べて、どうだったのか、と。 けれど、ほんとうのところ、大事なのはそこにいたるまでの「プロセス」なのだ。 その「プロセス」を歩むよここびに比べれば、結果の良し悪しなんてのは、ほんのさ…

過ぎゆく夏を惜しむ。

久しぶりに通る街道は、お盆のせいか以前の記憶よりも空いていた。 どうもお盆という時期は、夏の「終わりの始まり」と重なるせいか、感傷的になってしまう。 目印となる建物もあるけれど、ここは通るたびに、少しずつ建物が変わっているように感じる。 され…

感情が眠る場所。

感じきれなかった感情は、心の奥底で感じられるのを待ちながら、眠っているという。 その場所は、ふだんは閉じられている心の深い場所なのだろうけれど、それは物理的な場所の場合もあるように思う。 忘れられたその感情は、静かにその場所でひっそりと、来…

誕生日は、与える日。

今日は、私の39回目の誕生日でした。 SNSやレターポット、手紙を通じて、たくさんのお祝いのメッセージを頂きました。 ありがとうございました。 = 昔から、私にとって誕生日というのは面はゆく、いくぶんかの恥ずかしさと、そして若干の拗ねたような…

秋、立てる日に。

「ここから、そしてこの日から、世界史の新しい時代が始まる」 時に1792年9月20日。 フランス革命軍とプロイセン軍が、フランス東北部にて激突した「ヴァルミーの戦い」が勃発した。 革命によって成されたフランスの国民軍が、王朝に仕える職業軍人の…

蝉の声、故人の声。

亡くなった人のことを思い出すことがある。 それは故人との思い出の写真を眺めていたり、 在りし日に一緒に来た場所を訪れたり、 区切りの命日が巡ってきたり、 そんな分かりやすいシチュエーションではなく、ふと、何の脈絡もなしに。 そういったときほど、…

オクラすくすく、カブトムシなむなむ。

7月の上旬あたりから、オクラを育てている。 ベランダ菜園の初心者で、去年は茄子を育てようとしたが枯らしてしまった苦い思い出があるのだが、ホームセンターを訪れた際に息子が見つけてきて、育てることになった。 7月は買ってきた苗をプランターに植え…

誰かにしてほしかったことは、誰かにしてあげるといいこと。

スマートフォンから鳴る目覚まし音が、ずいぶんと続いてから、ようやく眼が覚めた。 深い眠りのところで、セットした時間になったようだった。 昨晩はめずらしく出かけていたので、眠るのが遅かった。 さすがに寝不足か、身体の重さを感じたが、隣で寝ている…

一年ぶり、葉月。

夏生まれだからだろうか、暑い季節が好きだ。 見上げれば、生命力あふれる雲の形。 ぎらついた太陽の陽射しに照らされた、深い緑色。 相変わらず元気よく鳴く、蝉の声。 アスファルトから立ち昇る、うだるような熱気に辟易しながらも、夏の訪れを感じてにや…

永遠に、未完。

夜明けも早々からの元気な蝉の声で、目が覚めた。 夏の朝は早い。 長引いた梅雨もどこへやら、朝から湿気を含んだ熱気が漂っている。 その暑さで二度寝する眠気も失せたため、コーヒーを淹れながらぼんやりしていた。 ふと、ベランダで育てている朝顔に目が…

無題

アスファルトから立ちのぼる、むせるような熱気にあなたは顔をそむける。 蝉が、鳴いている。 ふっとため息を一つついて、あなたは今日の予定に頭をめぐらせる。 よりどりみどりとも言えるし、ただ単に忙しい、とも言える。 あなたはもう一度、ふうっとため…

水無月の終わりと、いくつかの別れについて。

桜とともに出会いと別れは繰り返すように、 行く川の流れは絶えないように、 季節は止まらずめぐるように、 同じ場所には留まらないのが、人の世の常。 いくつもの別れを経験しながら、 川は大きくなり、海へと流れていく。 = 水無月終わりの週末は、雨模様…

不完全なままでこそ。

ずいぶんと気温が高くなり、蒸すようになった。 また暑い夏が近づいてきたことを実感する。 前日には、久しぶりに梅雨らしい雨が降った。 ふと以前から定点観測を続けている広葉樹に目が行った。 梅雨の合間の陽の光に照らされて、小さな青い実が、輝いてい…

いつだって、変化は遅れてやってくる。

19時過ぎまで明るいことに驚く、夏至を過ぎた今日の頃。 一年で一番昼間の長い時節なのに、暑さがピークを迎えるのは、まだ1か月以上も先だ。 いつだって、変化は遅れてやってくる。 = 悩みが大きいときほど、 進むべき道が分からなくなったときほど、 …