大嵜 直人のブログ

別れによって傷ついたココロは、出会いで癒される。私が辿ったそんな物語を「書く」ことをライフワークにしています。

日々の八寸

写真が嫌いだった、あの頃。

写真が嫌いになったのは、いつからだったのだろうと思う。 幼い頃の写真が数えるほどしか残っていないのは、私が三番目の子どもだったからなのか、それとも実家を整理したときに失われたからなのか、いまとなっては分からない。 「撮られる」側から、自分で…

ランニングの再開と、「やる気」についてのパラドックス

何か外的要因で「やる気」を出すのは簡単だけれども、自ら「やる気」を出すのは本当に難しい。 雑誌やネットで「健康にいい」という情報を見て、「やってみよう」と思い立っても、なかなか「腰をあげて実際にやる」までには至らない、というように。 「やる…

自分を忘れるとき、「問題」が起こる。

人生における「問題」とは、車のわき見運転の警告のようなものだ。 ただ自分の人生を生きることに集中できていないと、「問題」は起こる。 自分の生命の輝きを忘れ、他人の人生を生きようとすると、「問題」はドアをノックする。 人が生きるということの熱量…

書けなかった、ラブレター。

やまと歌は、人の心を種として、よろづの言の葉となれりける。 「古今和歌集 仮名序」より 千年の昔の歌人の言葉を例に引くまでもなく、 言葉というのは、実に不思議だ。 それはコミュニケーションの手段でもあり、 内省の導きでもあり、 人のこころをあやめ…

花に嵐のたとえもあるぞ、さよならだけが人生だ。

勧君金屈巵 君に勧む金屈巵(きんくつし) 満酌不須辞 満酌辞するを須(もち)いず 花発多風雨 花発(ひら)けば風雨多し 人生足別離 人生別離足る 唐の時代の詩人・于武陵の五言絶句を有名にしたのは、明治に生まれた井伏鱒二の訳である。 この盃をうけてく…

頑張ることの価値と、人生における幸せの関係。

頑張ってきたこと、積み重ねてきたこと、努力したことには価値がある。 それはその通りだと思う。 けれど、もしかしたらその裏側には、 頑張ってきたこと、積み重ねてきたこと、努力したことにしか価値がない。 という意識が、深いところで刷り込まれている…

いつか、ジグソーパズルのピースのように。

いまは分からなくても、それはいつかあなたの中でぴったりと嵌る時がくる。 いつか、ジグソーパズルのピースのように。 = 40を過ぎて、自分の人生のピースが一気に嵌っていくように感じるの。それは、子ども頃から好きだったことから、いままで重ねてきた…

アタシ冷蔵庫を開けるたびに、しなびていくキャベツを見ては「そっ閉じ」するんです。と彼女は言った。

「なんかダルいです」 「そりゃ、こんだけ真夏みたいに暑かったり、雨降って肌寒かったり、気圧が下がったり、環境が変わり過ぎたら、ダルくもなるよね」 「ええ、アタシなんて昨日うっかり窓を全開にして寝たら、明け方寒くて起きちゃったし」 「分かる。寝…

寂しさに追いつかれる。

「寂しさに追いつかれる」とは、美しい言葉だなと思った。 なぜ美しいのか、ぼんやり考えていた。 寂しさに追いつかれた分だけ、私は世界とつながるからなのだろうか。 = 「寂しさ」とは、人が母親の胎内からこの世に生まれ落ちた瞬間から感じ始める、古い…

アタシ聞きたいんですけど、「癒し」って何のためにあるんですかね?と彼女は言った。

「暑いですね」 「ああ、今日は31℃だってよ。週末は33℃だし、もう真夏だよ真夏」 「気温を聞くとちょっとアレですけど、そんなに耐えられないほどでもないんですよね。これが6月に入って梅雨入りすると、アタシもうダメなんです」 「ああ、名古屋のこの…

ビル街の中の神社をお参りしたら、神さまにお会いした日。

市内の中心街で仕事だった。 昨日の夜から大雨だったが、自宅を出るときには小降りになっていた。 普段通らない道を通ると、いつもと違う景色が目に入って楽しい。 雨に濡れるツツジ。 もうそろそろ終わりがけのようだ。 ワーカホリックに張り詰めて仕事をし…

「ご自愛のほどをお祈り申しあげます」という、人と人の関係における本質。

久しぶりに手紙を書いていたのだが、末尾に書いた「ご自愛ください」という言葉が、何だかいいなぁ、と改めて感じた。 「ご自愛のほどをお祈り申しあげます」 はもちろん形式的な文章の定型文だけれど、「あなたが、自分で自分を愛せるように、私は祈ってい…

アタシ、最近ほんとに休みの日は起きれないんですよ。と彼女は言った。

「金曜日ですね」 「ああ、金曜日だな。週末だ。」 「アタシ、週末になると悩みがあって」 「ほう、それはいいことだ」 「えー、なんでですか、イヤでしょ、悩むの」 「いや、悩むってことは、それだけ自分にとって大事なことでしょ。それは、人生という航路…

受け取る、受け取らないを超えて。

根っからの受け取り下手の私は、自分の何かを褒められたり、魅力を伝えられたりするとが、いまだに苦手だ。 そんなことないです いや、私よりすごい方いらっしゃいます と、冷や汗をかきながら、超高速首振り機能のついた扇風機のようになる。 それでも、伝…

次の連休まで、アタシは何を楽しみに生きればいいんですか。と彼女は言った。

「終わっちゃいましたね」 「何が」 「決まってるじゃないですか、10連休ですよ」 「ああ、そういえばそうだな。また通常運転が始まったってことだ」 「令和って、ずっとお休みが続く幸せな時代じゃないんですか?もうほんと、思ってたんとちがう…」 「ち…

京都東インターからの渋滞で柑橘類の残り香に想うこと。

ハンドルを握る手は、汗ばんでいた。 初めて走る道。 夜。 風の噂にその難易度を聞く、大阪の都市高速。 二日続けて早朝からフル活動した疲労感。 運転が得意ではない私にとって、この上なく難しい場面設定のせいもあったのだろう。 けれど、汗ばんでいたの…

保育園の先生に伺った子育ての話が、結局大人の私に必要な話だった件。

不思議なもので、いろんなことろで聞く話が同じことの違う側面のように感じることが増えた。 認知科学で言われるように、人間の認知というのはある種のフィルター(色眼鏡)がかかっており、それは当たり前の話なのかもしれないのだが。 青い色眼鏡をかけて…

「昭和の日」に父を想うこと。

球春という言葉がよく似合うナゴヤ球場で、幼い自分と再会したその日。 kappou-oosaki.hatenablog.jp なぜか感情が荒れた。 寂しさ、悔しさ、怒り、優越感、劣等感、競争心、悲しさ…いろんな感情が噴き出た。 感情は、幼子と同じだ。 それを抑えつけようとす…

見上げず、見下げず。その路傍に咲く花のように。

優位的な立場からのもの言い。マウンティング。 kappou-oosaki.hatenablog.jp 自分が最も忌み嫌っていたそれらが、実は自分も多分に持っていて、無意識にしていたのかもしれないことに気づいて愕然とした翌朝。 墨汁をぶちまけたような不快な気分は、変わら…

「この野郎、それを言いやがったな」と思った。

その言葉を聞いた瞬間、 「この野郎、それを言いやがったな」 と思った。 それだけは言っちゃダメだろう。 そのことを誰もが痛いほど分かっちゃいるけど、それでもダメだ。 頭に血が上った。 机を蹴って帰ってやろうかと思うが、眼を閉じて一つ深呼吸をする…

アタシ、最近がんばってるんです。早く来れるようになったんですよ。と彼女は言った。

「また来たんですか。そんなに暇なんですか」 「あぁ、暇なんだよ。だから相手してくれ」 「暇っていうより、寂しいんですよね」 「あぁ、そうだよ。寂しいんだよ」 「否定しないんですね…まぁ、アタシも寂しいクチですけど」 「あぁ、そうだろうな。類は何…

ツルさんと休まず仕事をした2カ月半。

春先のぼんやりとしたこの暖かさが、今日は鬱陶しかった。 秋のような空気の透明感はなく、それでいて初夏のような日差しに蒸された車内は、汗ばむくらいの気温になっていた。 行き道からずっと痛かった右の後頭部あたりが、また一段と熱を持ったように痛ん…

小さな自分とキャッチボールをして寂しさが癒された春の日。

朝から少し雲が出ていたが、雲の合間からは日差しが覗いている。 手帳を見ていると、万物清らかな「清明」から、穀物に実りの雨をもたらす「穀雨」に節気は移っていることに気づく。 少し前まで冬物のコートを着込むほどに冷え込んでいたのに、季節が変わる…

アタシ、また今日も遅刻ギリギリだったんですよ、もう毎日で疲れちゃいますよ。と彼女は言った。

「アタシ、また今日も遅刻ギリギリだったんんですよ、もう毎日で疲れちゃいますよ」 「だからそんなに寝癖がついてるのか」 「ついてないです!…でも、ほんとに今日は起きた瞬間、ダメかと思いましたよ。何でアラームが止まってるんでしょうね」 「そりゃ、…

傷を癒すものとは、何なのか。

kappou-oosaki.hatenablog.jp 昨日のこちらのエントリーに、「傷を癒すものとは、なんなのか」という質問をいただいたので、今日はそれについて書いてみようと思う。 結論を先に書くなら、やはり「感情を感じること」に尽きるのだと感じる。 = 昨日のエント…

「愛する」という、刃。

「愛する」ということは、時に残酷だ。 誰かに愛を伝えることは、ときに自分の心の傷をえぐられる。 もっとも深い愛が、もっとも深く心の奥底に沈めた傷をえぐる刃になる。 その傷を癒すのも、また愛なのだが。 = 関係が近くなるほどに、他人は自分を寸分違…

結局、誰もが幸せになっていく

送別会を開いてくれると言ってくれたのは、先週のことだった。 会、とは言っても、私とその方の二人だけなのだが。 事前には伝えておいたのだが、飲まない私が珍しいようで、しきりに「自分だけ飲んで申し訳ない」と言っていたが、その度に私は飲まなくても…

目的や目標が「ない」方が、続けられる。

何かを続けるとき、目的や目標を決めた方がいいとよく言われる。 けれど、往々にして真実は一見そう見えることの逆側にある。 実は、目的や目標が「ない」方が、続けられることもあるのではないかと思うのだ。 私の、このブログのように。 そして、時にそう…

自分を愛するとは、どういうことだろう?

昨日のエントリー、 自分を大切にしていないときに出る、分かりやすい指標。 - 大嵜 直人のブログ こちらに対して、「自分を大切にする、自分を愛するってなんでしょう?」という質問をいただきました。 いろんな「自分を大切にする」「自分を愛する」方法が…

自分を大切にしていないときに出る、分かりやすい指標。

トイレを我慢したりするとき、眠いのを我慢したりするとき、 だいたい自分を大切にすることを忘れている。 自分の体の身体的な反応を無視するときというのは、だいたい自分を大切にすることを忘れているとき。 それは、自分を大切にしていない状態の、分かり…