大嵜 直人のブログ

別れによって傷ついたココロは、出会いで癒される。私が辿ったそんな物語を「書く」ことをライフワークにしています。

彩の強肴

音楽の味わいは、時間とともに。

「新しい音楽を聴かなくなったら、老化が始まっている」 という話を聞いてぎくりとしたのは、20代の頃だっただろうか。 感情もなくハードワークを重ねていた当時の私にとって、新しい音楽どころか、音楽自体を聴く時間も少なかったように思う。 その話を聞い…

モンゴル800「小さな恋のうた」に寄せて

モンゴル800の「小さな恋のうた」を聴いたのは、 20代半ばの頃だっただろうか。 久しぶりに会った友人の車で、オーディオから流れていた。 www.youtube.com 「いいんだよ、この歌。ノレる」 そう言って、鼻歌でサビを歌っていた友人を思い出す。 ほら あなた…

七夕近し、真清田の空。

四季を味わう、という観点からすれば、梅雨の時期には雨の音を楽しむのが雅というものだろう。 されど、晴れた空の気持ちよさは、やはり何物にも代えがたい。 週間天気予報が雲と傘で埋まる中で、奇跡的によく晴れた文月の日。 一宮市は真清田神社を再訪した…

最大着差の最大幸福。 ~2020年宝塚記念 回顧

阪神内回りコース、2,200mという非根幹距離、開催最終週、そしてパンパンの良馬場にはならないこの梅雨時期の気候。 宝塚記念に求められる資質は、「府中・根幹距離・パンパン良馬場」で開催されることの多い主要GⅠとは異なる。 それだけに、この宝塚記念が…

宝塚記念の思い出に寄せて、ウマフリさんに寄稿させて頂きました。

梅雨時期の仁川を彩る、夏のグランプリ・宝塚記念。 一年間の総決算となる年末のグランプリ・有馬記念とは異なり、どこか優しく、どこか「夢」というフレーズが似合うように感じます。 1996年、あの年の宝塚記念の記憶とともに、そんな記事をウマフリさんに…

【ご案内】オンライン:6/21(日)22時~ 第三回「新月の夜のオンライン朗読会」

私が執筆させて頂きました作品を、朗読いただく機会をまた頂きました。 朗読いただく作品は、 カウンセラー/手紙屋の宮本朋世さんのご依頼で執筆させて頂いた「神降ろし」となり、宮本様ご本人が朗読されます。 6月21日(日曜日)、22時~オンラインに…

書評:根本裕幸さん著『「いつも無理してるな」と思った時に読む本』に寄せて

今日は書評を。 心理カウンセラー/セミナー講師/ベストセラー作家の根本裕幸さんの『「いつも無理してるな」と思った時に読む本』(大和書房、以下「本書」と記す)に寄せて。 1.心のメイク、あるいはペルソナ 2.「自分ではない何者か」になろうとする…

水無月、府中への帰還。 ~2020年安田記念 回顧

ダービーが終わった後は、どうしても「祭りのあと」の虚脱感と弛緩がある。 あぁ、今年も終わってしまった、と。 けれども、翌週から行われる新馬戦と安田記念が、いつもその虚脱感を現実に引き戻してくれる。 私が競馬を見始めた頃は、夏の新馬戦と言えば、…

最高傑作は、風と共に。 ~2020年東京優駿(日本ダービー) 回顧

風を、マイクが拾っていた。 平原綾香さんによる、国家独唱。 本来ならばそこにあるはずの、興奮とざわめきの止まらないスタンドの歓声は、今年は無い。 このダービーの前の国家独唱が、たまらなく好きだ。 天皇賞にも有馬記念にもジャパンカップにもない、…

無観客で開催される日本ダービーに寄せて、ウマフリさんに寄稿させて頂きました。

今週末は、いよいよ日本ダービーです。 競馬の祭典とも呼ばれる日本ダービーですが、感染症の拡大を受けて76年ぶりの無観客での開催となります。 私自身も、昨年に引き続いて現地での観戦を企んでおりましたが、やむなくテレビでの観戦となりました。 そん…

ドラマとともに、紡がれる歴史。 ~2020年優駿牝馬(オークス) 回顧

時は小満、日増しに気温が上がり、太陽が力強くなっていくころ。 天地に生命が満ち溢れるといわれる時候。 一年で最も爽やかな2週間は、競馬ファンにとってもたまらない時間である。 2017年に生を受けたサラブレッドの頂点を競うオークスとダービーが、…

ふと思い出す言葉へ、手紙を送ること。

思えば、ワーカホリックに働いていた時代にも、人には恵まれたものだ。 そこから得られたことも多い。 末っ子長男の気質のせいか、年下や部下よりも、年上や役職者の方が付き合いやすかった。 亀の甲より年の功ではないが、やはり年長者の言葉というものは重…

雨上がり、いつか見た花は夏色に。 ~愛知県一宮市「真清田神社」訪問記

一宮市は真清田神社を訪れた。 以前にここで書いたこともあるが、私の生国である「尾張国」の「一之宮」が、この真清田神社である。 ありがたいことに、いまの仕事の絡みで近くに寄ることがあり、その都度少し早めに来て、お参りさせて頂いている。 この日は…

絶対美は、ドラマを越えて。 ~2020年ヴィクトリアマイル 回顧

馬なり、かよ… テレビの前で、思わず声が出てしまった。 最後の直線に入り必死に前で粘ろうとする3頭を、鞭も入れずに交わしていく。 のちの歴史的名馬が、衝撃のデビューを飾った新馬戦のような。 あるいは、インターハイ決勝に出るような高校生が、学校の…

【ご案内】 オンライン:5/23(土)22時~ 第二回「新月の夜のオンライン朗読会」

言葉というものは、不思議なもので。 千年の昔の歌人が詠んだとおり、人を慰める歌にもなる。 力をも入れずして天地を動かし、 目に見えぬ鬼神をもあはれと思はせ、 男女の仲をも和らげ、 猛き武士の心をも慰むるは、歌なり。 古今和歌集「仮名序」 かと思え…

書評:根本裕幸さん著『執着を手放して「幸せ」になる本』に寄せて

今日は書評を。 心理カウンセラー/セミナー講師/ベストセラー作家の根本裕幸さんの新刊『執着を手放して「幸せ」になる本』(学研プラス)に寄せて。 1.執着とは何か? 2.手放す、とは何か? 3.執着を手放すための方法論 4.人は、もっと自由に生き…

美しき菊・盾・盾。 ~2020年天皇賞・春 回顧

新緑の色を詰め込んだような風が薫る、五月。 ようやく寒さを気にかけることも少なくなり、そして日中の陽射しに夏の太陽の薫りを感じ始める、一年で最も心地の良い気候の時期。 伝統の春の天皇賞は、そんな時期の淀で行われる。 かつて、ジャガーメイルが勝…

Enjoy Run, Enjoy Life.

四季を感じながら、走るといいよ、とアドバイスを頂いた。 ランニングについて、である。 もっと、楽しんでもいいのかもしれない、と思った。 = とかく私は、「走ること」については、継続出来た日数とか、走った距離とか、走れた時間とか、あるいは何キロ…

また、ブルーベリーの実る丘から、琵琶湖を眺めたい。

滋賀県は琵琶湖の湖西、大津市。 かの有名な延暦寺比叡山もある、その大きな湖を見下ろす山中に、ブルーベリーの実る丘がある。 37年前、一人の女性がブルーベリーの苗木を植えて、無農薬栽培を始められた。 農薬全盛のその時代、そして当時はあまり認知度…

【ご案内】オンライン:4/23(木)22時~「新月の夜のオンライン朗読会」

以前に私が執筆させて頂きました作品を、朗読いただく機会を頂きました。 朗読いただく作品は、 カウンセラー/手紙屋の宮本朋世さんのご依頼で執筆させて頂いた「神降ろし」となり、宮本様ご本人が朗読されます。 詳細、申し込み方法は下記リンクをご参照く…

その末脚、薫る風を運んで ~2020年皐月賞 回顧

荒れた天気の後は、空気が澄み渡る。 台風にしても、大雨にしても、大嵐にしても。 それまで滞留して濁っていた空気をかき混ぜ吹き飛ばし、そして新しい空気を運んでくる。 記録的な大雨が過ぎ去ると、澄み渡った青空が広がっていた。 その陽射しとともに、…

ターフに散らばる奇跡を集めて ~2020年桜花賞 回顧

毎年開花が早くなる桜の開花宣言を聞くと、桜花賞まで咲いているか心配になる。 桜はその潔い散り方が美しいと言えど、やはり桜花賞のスタート地点には、あの淡いピンク色で彩って欲しいと思うのは、私の身勝手だろうか。 桜花賞は、美しいレースだ。 施行時…

いつもマリオに、寂しさを癒してもらっていた。

家の中での時間の楽しみを増やそうと考えていたら、数年前に頂いて未開封だったゲーム機を見つけた。 「なんだ、それは!」と、食いつく息子。 開封して初期設定をして、以前に遊んでいたソフト「New スーパーマリオブラザーズ」を差し込んでみる。 走る、ジ…

こころは玉置山に飛んで。

その写真を見てしまったら、もう取るもの手につかなくなった。 SNSで、たいせつな友人の方が、玉置山の画像をアップしたのを見てしまった。 私のこころは、そぞろに。 一年前に訪れた、あの玉置山へと飛んで行ってしまった。 kappou-oosaki.hatenablog.jp =…

ちいさな身体いっぱいに春の息吹を詰め込んで ~愛知県刈谷市「魚屋ごんべえ」訪問記

肌寒い日が続いたあとは、春の陽気が訪れる。 三寒四温とはよく言ったもので、冬のコートの出し入れに悩んでいるうちに春はやってくる。 その日の日中は、少し汗ばむような陽気の日だった。 春の陽気というのは、なぜあんなにも、人をぼんやりとさせるのだろ…

青い色が、好きだ。

色を選ぶ場面になったとき。 気付けばいつも選んでしまう色が、誰にでもあるのだろう。 私の場合は、「青」がそれにあたる。 なぜか、青い色を選んでしまう。 青い色といえば、空の色。 よく空を見上げるのも、青い色が好きだからなのかもしれない。 雲の形…

加藤登紀子さん「時には昔の話を」に寄せて

加藤登紀子さんの珠玉の名曲、「時には昔の話を」に寄せて。 www.youtube.com 加藤登紀子さんは母がよく聴いていて、実家に何枚かCDが転がっていたことを思い出す。 夜のリビングで、「100万本のバラ」をよく聴いたような気がする。 ご存知、宮崎駿監督の…

コッコさんを探して ~小雨閏日の熱田神宮 訪問記

閏日の墓参りの帰り道、熱田神宮に参拝した。 ニワトリが放し飼いにされていると息子に説明したところ、興味を示した。 少し雨がぱらついていたが、熱田の杜を歩くことにした。 ちょうど午後3時過ぎに着いたが、正門前の駐車場も空いていて停めることができ…

溶けるバターを眺めながら、3年という時の流れに想いを馳せる夜。 ~愛知県刈谷市・「魚屋ごんべえ」訪問記

ものの本によると、新規開店する飲食店の中で、3年後もそのまま営業を続けられるお店は、わずか1割に満たないと聞く。 訪れるたびに風景が変わる名古屋駅や、あるいは雨後の筍のように隆盛を極めるタピオカを売る店などを見ていると、さもありなんと思う。…

CHAGE and ASKA 「NとLの野球帽」に寄せて

人はどんなときに歌を歌うのだろう。 恋焦がれる相手への焼けつくような恋慕もあれば、露のように消える人生の儚さ、どこへもやり場のない激情、あるいはもう形を変えてしまった故郷への想い… 生きていく中で、避けようのないそうした感情を、人は歌に乗せて…