大嵜 直人のブログ

別れによって傷ついたココロは、出会いで癒される。私が辿ったそんな物語を「書く」ことをライフワークにしています。

卯月の雨は悲しげなれど、祈りを誘い。

月が変わり、年度が変わった。 卯月である。 週末からぐずついた空模様は、昼過ぎからまた降り出した。 雷乃発声、かみなりすなわちこえをはっす。 季節の変わり目は、大気が不安定で雷が鳴ったり、あるいは雪や雹が降ったりもする。 卯月、雨、雷。 「花散…

歩くこと、書くこと、生きること。

文章が上手くなる、とは、どういうことだろう。 たとえば、「この横断歩道を歩いて渡ってください」という指示は、理解できる。 理解できるし、「歩く」ことができる人は、その指示を実行することができるだろう。 ところが、「この横断歩道を『上手く』歩い…

雑巾がけ、あるいは五体投地。

小学校の頃、掃除の時間があった。 あれは、たしか給食の時間の後だったような気がするが、もしかしたら午後の授業が終わった後だったかもしれない。 机と椅子を後ろに下げる役目、ほうきをかける役目、黒板を掃除する役など、いろんな役割があった。 その中…

4LDKがつくりたい。

「よんえるでぃーけーがつくりたい」 週末の夕方、息子がそう訴えてくる。 ほう、そうきたか。 先般、すったもんだしながらマンションを建設してからも、地下鉄の駅で配っているマンション・賃貸住宅の無料広告雑誌をしげしげとながめている息子が、そう言い…

やって来るもの、過ぎ去っていくもの、いま目の前にあるもの。

近所の川沿いの桜並木を歩く。 先週末に、今年初めて咲いた桜を見たが、もう陽当たりのいい場所では満開に近い。 前日の夜には少し強めの雨が降っていた。 この日も曇りと雨の予報で、なかなか青空をバックに撮れないのがもどかしい。 それでも、この淡いピ…

どうやったら苦手な相手をやり過ごすことができますかね、と彼女は言った。

「はぁ…(チラッ)」 「… … …(しーん)」 「ふぅ……(チラッ)…はぁ…(チラッ)」 「… … …(しーん)」 「もう!『かまってくださいオーラ』を醸してるんですから、ちゃんとかまってくださいよ!」 「なんだなんだ、朝イチから…始業前くらい、ゆっくり瞑想さ…

こころは玉置山に飛んで。

その写真を見てしまったら、もう取るもの手につかなくなった。 SNSで、たいせつな友人の方が、玉置山の画像をアップしたのを見てしまった。 私のこころは、そぞろに。 一年前に訪れた、あの玉置山へと飛んで行ってしまった。 kappou-oosaki.hatenablog.jp =…

桜始開、さくらはじめてひらく。

空の色が、春らしくなってきた。 どのあたりが春らしいか、と問われると困ってしまうのだが、春の空の色は独特だ。 どこか輪郭がぼんやりとしている。 それは、霧(きり)でもなく、靄(もや)でもなく、やはり霞(かすみ)と呼びたくなる。 霧(きり)や靄…

ナビのないくるま。

方向音痴のケがある私は、ナビのない車は乗らないようにしている。 乗り慣れた道ならまだしも、初めて通る道をナビなしの車で走るのは怖い。 最近は、ほとんどスマホの地図アプリで代用できるようになったので、その心配をすることはほとんどないのだが。 ナ…

痛みは、成長がゆえに。

啓蟄を過ぎ、春分を迎え。 いよいよ春めいてくると、やはり外に出たり、何かを始めたりしたくなるようで。 周りの知人や友人たちが、身体を動かしているのを見たからもあるのだが、少しずつ身体を動かしている。 ランニングか筋トレのどちらかを、毎日少しず…

ほら、気付けば足元に。

自分が変化したことや、成長したことを見つけたければ、定点観測がいちばん確実だ。 すなわち、目に映る周りの誰かの横軸ではなく、1か月前、半年前、一年前の自分という縦軸で比べてみること。 そのとき、鍵になるのが、「必ず何か変わっている点がある」…

春分過ぎて。

昨日の春分の日を過ぎて、また一つ春らしくなってきたようだ。 少し前に立春がどうのと書いていたような気がするが、時の流れは早い。 立春、雨水、啓蟄、そして春分へ。 その陽気に誘われて、近所の川沿いを走る。 川沿いの桜も、もう待ちきれないといった…

ちいさな身体いっぱいに春の息吹を詰め込んで ~愛知県刈谷市「魚屋ごんべえ」訪問記

肌寒い日が続いたあとは、春の陽気が訪れる。 三寒四温とはよく言ったもので、冬のコートの出し入れに悩んでいるうちに春はやってくる。 その日の日中は、少し汗ばむような陽気の日だった。 春の陽気というのは、なぜあんなにも、人をぼんやりとさせるのだろ…

ライフワークは、必ず叶います。

ライフワークは、必ず叶います。 と彼女は言った。 そして、続けた。 その第一は、ビジョンを描こうが、描けなかろうが。 今を生きること。 今やれることをやりきること。 彼女の言葉だ、と思った。 = やまとうたは人の心を種としてよろづの言の葉とぞなれ…

青い色が、好きだ。

色を選ぶ場面になったとき。 気付けばいつも選んでしまう色が、誰にでもあるのだろう。 私の場合は、「青」がそれにあたる。 なぜか、青い色を選んでしまう。 青い色といえば、空の色。 よく空を見上げるのも、青い色が好きだからなのかもしれない。 雲の形…

最も偉大な自由は、最も強固な制約から生まれるのかも。と彼女は言った。

(ゴソゴソ…ゴソゴソ…) 「うわ、やべえ。切らしちゃったよ…しまったなぁ…」 「なんですか、朝イチから、心配してほしそうな一人芝居して。始業前くらい、ゆっくりNetflix観させてくださいよ」 「あぁ、心配してくれてありがとうよ。いや、切らしちゃってさ…

断酒日記 【500日目】

さて、断酒もとうとう500日の大台に乗った。 ああ、そうだったか、くらいの感慨しかないが、やはり節目は節目なのだろう。 これまでの断酒日記を振り返りながら、ずいぶんと遠いところまで来たものだと思う。 始めた直後の1週間~1か月ほどは、飲みたい…

流れとよどみ、過ぎゆく春。

残暑や余寒、あるいは晩秋といった言葉には、どこか過ぎゆく季節への目線がある。 けれど、晩春という言葉には、それが薄いように感じる。 晩春の頃は、清明あるいは小満のころ。 新緑で生命の力が最も輝くとき、人は過去を煩うのではなく、未来を想う。 過…

桜鯛と、忘れるということについて。

「そういえば、お酒やめてどれくらいになるんですか」 「たしかそろそろ500日くらいだったと思うので、1年と3,4か月くらいですかね」 「もうそんなになりますか。はやいですねぇ」 「ええ、ほんとに」 「言われてみると、日本酒を飲んでた姿を忘れて…

桃始笑、ももはじめてさく。

二十四節気、七十二侯を追っていくと、季節というものはほんとうに立ち止まらないものだと痛感する。 ほんの少し前に啓蟄に入ったような気がするが、七十二侯ではその次候の時節だ。 桃始笑。 ももはじめてさく。 桃のつぼみが開き、花が咲き始めるころ。 3…

罪悪感は、愛ゆえに。

身体が、浮いた。 いけるかと思ったが、甘かったらしい。 ハンドルはコントロールを失い、明後日の方向を向いた。 時間が止まるというのが、まさに正しい表現のように思えた。 したたかに、地面に身体を打ちつけた。 一瞬遅れて、衝撃と痛みがやってくる。 …

3月11日。

3月11日。 水曜日。 予報通りに、よく晴れていた。 濡れたアスファルトは、夜半まで雨が降っていたことを教えてくれた。 けれど、よく、 晴れていた。 3月11日。 よく、晴れていた。 = 多くの人にとって、特別な意味を持つであろう、その日付。 当た…

3月10日。

3月10日。 火曜日。 昼前から雨、のはずだった。 予報は外れ、朝から降り出していた。 分厚い雲から泣き出すように降り出した雨は、どこか季節感がなかった。 どこか空気が重苦しく、鬱陶しかった。 雨の足音だけが、車内に響いていた。 そういえば、3月…

断酒日記 【493日目】 ~資質や才能のほんとうの恩恵とは

さて、断酒して493日目である。 2018年の11月からなので、酒を断って1年と3ヵ月ほどだろうか。 今日は以前によくお酒の席をご一緒させて頂いた知人の方と、久しぶりに話しをする機会があった。 その方は、あまりお酒が強い方ではないので、 「そ…

『流れ』について。

たとえば高校野球で、解説者がこう言う。 「〇〇高校はチャンスですね。先ほどの回のピンチを、サードのファインプレーで凌ぎましたから、いい流れを持ってきましたね」 よく耳にするフレーズだ。 しかし、よくよく考えてみると、そのフレーズの中の『流れ』…

加藤登紀子さん「時には昔の話を」に寄せて

加藤登紀子さんの珠玉の名曲、「時には昔の話を」に寄せて。 www.youtube.com 加藤登紀子さんは母がよく聴いていて、実家に何枚かCDが転がっていたことを思い出す。 夜のリビングで、「100万本のバラ」をよく聴いたような気がする。 ご存知、宮崎駿監督の…

追憶のキリン。

幼いころの記憶を、鮮明に覚えている人がいる。 以前に聞いた話だと、神童として知られていたある人は、自分が産まれたときに浸かった産湯のタライの形を覚えているという。 そこまでの記憶はさておき、幼少期の記憶をよく覚えている人と、そうでない人は分…

蟄虫啓戸、すごもりむしとをひらく。

今日は啓蟄。 七十二侯では蟄虫啓戸(すごもりむしとをひらく)、土の中で冬眠していた虫や蛇、蛙、とかげなどの生きものたちが、這い出して来る時候。 早春の光を浴びて温まった土から顔を出した生きものたちは、久しぶりの風を浴びて春の訪れを告げてくれ…

紙がないなら、葉っぱで拭けばいいじゃない。と彼女は言った。

「やべえぞ、とうとうマジック3だ」 「なんですか、朝イチから。始業前くらい、ゆっくりYoutube観させてくださいよ」 「いや、あと残り3ロールなんだよ、ウチの」 「あぁ、なんだ。トイレットペーパーですか」 「もうそろそろなくなるんで、普通に買いに行…

桃の節句に、娘を想うこと。

「どうせ、おとうは、僕よりも娘のほうがだいじなんでしょ」 罪悪感を刺激するのが得意な私の息子の、最近トレンドの手口だ。 罪悪感にまみれるのが大好きな私と、拗ねて無力感に浸りたい息子との凹凸は、どうもぴったりのようだ。 そもそも、ほんとうに息子…