大嵜直人のブログ

文筆家・心理カウンセラー。死別や失恋、挫折といった喪失感から、つながりと安心感を取り戻すお手伝いをしております。

断酒日記 【26日目】 ~これまでの断酒のメリット・デメリットのまとめ

さて、断酒26日目である。

もうそろそろ1ヵ月なので、これまで私が断酒を続けてきて「よかったこと」・「悪かったこと」をまとめてみようと思う。

よく飲んでいた以前の私を知る方からときどき聞かれることがあるのだが、私は決してこの日記で人に断酒をすすめたいわけでもないし、お酒がキライになったわけでもない。

お酒の文化はとっても素晴らしいものだと思うし、酒席は大好きだし、飲む人には飲む人の、飲まない人には飲まない人の、それぞれのライフ・スタイルがあるだけだと思う。

自分が好きな方を選べば、それでいいと思う。

ただ私は、自分が断酒をしてみてどんな感じを抱いたのかを記録しておきたいだけであるし、もしそれが「断酒に興味がある人」の参考になれば、これ以上の望みはない。

前口上が長くなってしまった。

それでは、「よかったこと」と「悪かったこと」に分けて綴ってみたい。

〇お酒をやめてよかったこと

1.お酒以外の好きなことをできる時間が増えた

これは私がお酒が弱かったせいもあるのだが、お酒を飲むとそれ以外に頭を使う作業ができなかった。

当然、断酒をしてからは酔っ払うこともないので、本を読むなり、ブログを書くなり、映画を観るなり、好きなことをする時間が増えた。

このインパクトは相当大きくて、体感的ではあるが一週間の時間が1.5倍くらいに長くなったように感じる。

その長くなった時間で何をするか、という嬉しい問題に取り組んでいるが、最近の私の中のぜいたくは「早寝」である。

これは、次の項目にも関連する。

2.寝起きが抜群によくなった

お酒を飲むと睡眠が浅くなるのはよく知られた話だが、お酒をやめてすごく変わったと思うことの一つが睡眠である。

お酒をよく飲んでいると、朝起きてもドロ~ンとして何となく疲れが取れていない感じが私にはあったのだが、それがまったく無くなった。

朝、バシッと起きれるのである。

おそらく睡眠の質がよくなって、一晩寝て回復する量が大きくなったような感覚だ。

それは、何となくお酒をやめて内臓などの身体の内側が元気になった気がする。

例えるなら、小学生の頃の夏休み、真っ暗になるまで遊んで、夕飯食べてお風呂入って布団に入って、その翌朝の目覚めのようにスッキリした感がする日が増えた。

起きた瞬間から全開で「さあ、何をしよう?」とワクワクした、あの朝のような感じがする。

それが楽しくて、最近は早寝・早起きが楽しい。

昨晩は22時に寝て、今日は5時に起きてごそごそと活動していた。

朝の活動は、時間的な制約があるからギュッとしているから、濃密になる。

これもお酒をやめたことの恩恵であろう。

3.お腹の調子が快調

これはお酒を飲む人ならわかって頂けると思うが、私は飲み過ぎると必ず翌日お腹を壊していた。

まあ考えてみれば、冷たいものをたくさん飲めばお腹が壊れるのは当たり前の話なのだが、それが続いたりもしていた。

それがお酒をやめてから、ほとんどお腹を壊していない。

お腹の調子は快調である。

4.美味しい食事を最後まで楽しめるようになった

美味しいものとお酒は切っても切り離せない。

けれど、これは酒と肴のパラドックスだと思うのだが、料理や肴が美味しければ美味しいほど、お酒もすすんでしまい、酔っ払って味がわからなくなる。

お酒が強い人や、きちんと自分の酩酊具合をコントロールできる人ならいいのだが、私はお酒も意思も弱かったので、たとえばコース料理が盛り上がるころには、できあがってしまう、ということがあった。

それが、お酒を飲まないと美味しい料理を最後まで楽しめるのである。

至極当たり前の話ではあるのだが。

料理のあとに鼻腔に残った香りの余韻を楽しめたり、美味しい料理を堪能できるようになった。

5.自分の感情を丁寧に扱うようになった

以前にこちらのエントリーで書いたのだが、お酒は感情を冷凍する気がする。

断酒日記 【13日目】 - 大嵜 直人のブログ

お酒を飲んで酔うと、気分がよくなったり快活になったりするのだが、酔いが醒めるとお酒を飲む前の状態に戻る気がするのだ。

そのとき自分が感じていることというのは、実はとても大切だ。

それをないがしろにしたり、抑圧したり、無視したりすると、あとでえらいしっぺ返しに会う。

もちろん、いつでも完全に自分の感じていることを理解できるほど、内省できるわけではない。

その感情をそのときの自分が受け止めきれなかったり、あるいはよく分からなかったりすることもある。

けれど、いま自分が何を感じていて、何を欲していて、何を要らないか、そうしたことを問いかけていないと、いつしか自分の望みと行動の間にズレが生じていく。

それは最初は小さなズレかもしれないが、行き先が分かれた道のように時間が経つほどに大きなズレになっていく。

お酒を飲んでいたときの私は、飲むことでこうした自分の内面に向き合うことから逃げるときがままあった。

その逃げ道が無くなると辛いかもしれない、と断酒したてのときは思ったが、いまは逆に内省する時間が増えて楽になった、という感覚である。

出さないと便秘になってしまうように、
溜めると大掃除になってしまうように、
サボると一夜漬けになってしまうように、
何でもそのときに処理するのが一番らしい。

そんなことを実感している。

●お酒をやめて悪かったこと

1.体重が増えた

お酒をやめた人の話を聞くと、「食べる量が減って痩せる」という話をたまに聞くが、私は逆だった。

食べる量はそんなに変わらないと思うのだが、甘いものが無性に食べたくなった。

お酒の刺激の代わりに、甘いものを求めているのだろか。

あまり買ったことのないチョコレートやグミなどを間食するようになってしまった。

これがそのまま続くのか、一時的なものなのか、経過を見てみたい。

2.美味しい料理には、やっぱりお酒をあわせてみたくなる

これは「よかったこと」のなかの4つめの項目の裏返しなのだが、美味しい料理や肴を食べると、「あぁ、こんな日本酒とあわせてみたい」とか「赤ワインが飲めたら最高だな・・・」という思いが頭をよぎるのである。

しかし、飲んでしまうと酔っ払うし、難問この上ない。

酔っ払わないけれど、お酒の香りと味がする飲み物はないものだろうか。

お酒に代わる飲み物を探すのが、いまの喫緊の課題である。

3.飲まないと言うと、一緒に食事をする方に罪悪感を与える

私がお酒を飲んでいたことを知っている方と食事に行くと、「飲まないのに、悪いですね」などと気を遣わせてしまうことがある。

私は「しかたなく」ではなくて、「好きこのんで」断酒をしているので、全然好きなだけ飲んで頂けると嬉しいのだが、どうも「お酒をやめている」と聞くと、皆ストイックな感じを受けるようだ。

そのあたりは、「好きこのんで」お酒をやめている、ということを私がきちんと説明することが必要なのだろうか。

罪悪感を感じるのはその人の勝手なので、放っておけばよいのだろうか。

まあ、これは時間が解決するような気もする。

「飲まないキャラ」を確立すれば、それで終わりだとも思うのだ。

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さて、ここまで私が断酒してよかったこと、悪かったことを見てきた。

ある程度時間が経ったら、この項目が変化するのかどうか、また考えて書いてみたい。