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ますますその話題をよく聞くようになったAI、人工知能。
今日はそんなAIに寄せて。
2016年3月。
英国・Google Deep Mind社が開発した囲碁プログラム「アルファ碁(AlphaGo)」は、韓国の至宝、イ・セドル九段との5番勝負に臨み、4勝1敗と勝ち越した。
トップクラスのプロ棋士に、初めてコンピュータープログラムが勝利した歴史的瞬間だった。
中でもアルファ碁が緒戦を制して迎えた第2局、アルファ碁の指した「黒37手」は、解説のプロ棋士をして悪手か好手か判断がつかなかった。
しかしそこから展開が進むにつれ、アルファ碁の優勢は色濃くなっていった。
のちにその「黒37手」は「神の一手」として記憶されるようになる。
ときに私たちの周りにも起こる、思いもよらぬ非合理な、不条理な、不運な、出来事。
けれどもそれを判断して意味づけているのは、私たちの観念、思い込みであり、あとから振り返って覗いてみると、全てが必然かつ最善だったのかもしれない。
「いま」、未来をつくることは出来ないけれど、過去を書き換えることはできる。
第2局の「黒37手」をAIと人間の優位性の逆転と見ることも、これからのAIと人間とのミックス・アップへの布石と見ることもできる。
その後の第4局を制したイ・セドル九段が指した「白78手」もまた、「神の一手」と記憶されている。
2017.9.4
囲碁や将棋の世界では、もう人間が敵わないくらい強いソフトが出てきて久しいものです。
少し前までは、どれだけコンピューターが発達しようと、プロ棋士の一線級には敵わないだろうと言われていたのに、世の中の常識が変わるのはあっという間です。
確かにAI対人間という図式や、AIが仕事を奪うというフレーズはセンセーショナルですが、二項対立よりも人とAIがお互いに補完し合えるパートナーとなれたらと思うのです。
インターネットにせよ、スマートフォンにせよ、AIにせよ、新しいテクノロジーの発達が速すぎて、人間と心地よい関係性を築くことが追いついていないように思います。
人のできること。
AIのできること。
ネットでできること。
現実世界でできること。
お互いのできること・できないことを明確にするほど、きっと関係性は心地よくなる。
囲碁や将棋のこうしたニュースを聞くにつけ、そんなことを想うのでした。