【言の葉割烹おおさき】へようこそ

人との別離で傷ついたココロは、人との出会いで癒される。私の辿ったそんな体験を、言葉にしてみたいのです。

美しき丹後の棚田と人々の笑顔に癒されたお話し 〜飯尾醸造さんの田植え体験記

いらっしゃいませ、「言の葉割烹おおさき」へようこそお越しくださいました。
店主のおおさきです。

 

先日、京都府宮津市にあります「飯尾醸造」さんの田植え体験会に参加してきましたので、その体験記を。

 

飯尾醸造さんは以前にこちらでご紹介させて頂きましたので、よろしければこちらもあわせて。

kappou-oosaki.hatenablog.jp

 

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その日、朝4時半に自宅を出た。

名二環を走らせていると、東の空から夜が明けてきた。

 

最近は日の出が早いためなかなか日の出を見ることができていなかったが、久しぶりに見ることができた。

早くも宮津への旅の恩恵をたっぷりと受け取る。

 

宮津を訪れるのは、10年弱ぶりになる。

 

人のご縁で、飯尾醸造の若き5代目・飯尾彰浩さんが顧客との「田植え体験会」をスタートさせた十数年前に、田植えと稲刈りに毎年春と秋に宮津に通った。


それが身の回りの環境がいろいろ変わるうちに足が遠のいてしまい、飯尾醸造さんのブログなどであの棚田の写真を眺めているだけになってしまっていた。

 

今年こそは行こう。


そう思い応募したところ、幸運にも当選することができた。

 

約10年ぶりの宮津を訪れる前日、遠足前のワクワクと長距離運転の緊張とでなかなか寝付けなかった。


以前は名神を西へひたすら走り大阪市街を過ぎて三田で北へ上るルートしかなく、宝塚で必ず渋滞に捕まったが、現在は「ナビ神」さまは舞鶴若狭自動車道から京都縦貫道に入るルートを指示してくれた。

おかげで渋滞とは無縁の行き道だった。

 

舞鶴若狭自動車道に入ったあたりから、雨が強くなってきた。


予報では宮津は午前中雨、午後からは曇りになっているが山の天気はわからない。

 

それでも、カンカン照りの中でする田植えよりは小雨の方が体力的にありがたい。


あまりに好天だと、田んぼからの照り返しと、田んぼが乾いて足を抜くだけで一苦労する状態になり、かなり体力を要する。

 

あれから10年ほど。

衰えたであろう私の体力を、お天道様は気を遣ってくれたのだろうか。

 

与謝天橋立インターで下り、下道を走る。

しばらく走って、消防署の交差点を曲がる。

 

以前立ち寄った記憶のある天橋立ワイナリーを過ぎると、右手に宮津の海が見えてくる。
10年ぶりでも、意外と道を覚えているものだ。

 

もう一つ角を曲がり、世屋高原へとつながる山道を登っていく。

 

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何度もカーブを曲がり登っていくと、視界が開けた。

 

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あの棚田だ。


懐かしい顔のお二人が作業をされている。

米作り担当の伊藤浩二さんと今井克美さん。

 

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こちらに気づいてくれたようで、車の中から再会を喜ぶ。

 

記憶の中の美しい棚田と、優しい笑顔は10年経っても何も変わっていなかった。

 

休憩所に車を停め、さっそく着替えをしようとしたところ、下のジャージの紐が切れた。

 

手が不器用な私のこと、紐を結んで通すのに苦戦していると、飯尾醸造さんの社員の方が手伝って頂いた。

手伝って頂いたというより、通して頂いたのを見ていただけなのだが・・・宮津でも私のポンコツぶりは変わらず。

 

田植え用の長靴に履き替え、カッパを着て説明を受け、いよいよ田植えの作業を始める。

 

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無農薬での米作りの天敵は、雑草だそうだ。


いろんな雑草対策がある中で、飯尾醸造さんは「再生紙マルチ栽培」を採用しておられる。

田んぼに古紙再生紙を敷き詰め、その上に苗を植えることで物理的に雑草の生育を防ぐ手法だ。

 

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ただ飯尾醸造さんが管理しておられる棚田はいびつな形が多く、機械が入れないところが多いため、こうして人の手で苗を植えている。

 

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今年で定年退職されたという参加者の方と二人一組になり、田植えをしていく。

 

ロール状の再生紙マルチを敷く。
20cm間隔で穴を開ける。
苗を4本ちぎり、その穴に植える。
後ずさり、紙マルチをまた敷く・・・

 

その繰り返し繰り返し。

 

それをしている間は、不思議と心は落ち着き、無心でいられる。

 

気づくと休憩の時間になっていた。


近くの「ペンション自給自足」さんのつくるお弁当。

このあたりで取れる山菜の苦みを味わっていると、また身体から毒素が抜けていくような気がする。

 

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午後になり、少し陽の出る時間も出てきた。

再び田んぼに戻り、作業を再開する。

 

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紙マルチの弱点として、動物に歩き回られると穴が空いてしまいそこから雑草が生えるというものがあるため、植えたらすぐにイノシシ除けの柵を設置されておられた。

 

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午前中は支給された手袋をしていたが、外して素手で植えてみた。

泥と苗の感触が直接伝わり、気持ちがいい。

 

「アースする」という言葉があるように、素手や素足で地面に触ることは癒しをもたらしてくれる。
水面にアメンボが躍り、カエルが鳴いているこの美しい棚田なら、なおさらだ。

 

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午後の休憩時は「紅芋酢」の差し入れが。
この酸味が疲れを吹き飛ばしてくれる。

 

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飯尾彰浩さんと記念に。

 

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今でこそ「バーベキューする」「スナックする」などの参加型のエンターテインメントが言われるが、飯尾さんはもう10年以上前から、こうして生産者と消費者をつなぐ活動をされておられる。

 

遊びを仕事にする、理念とビジネスの両立、丹後を日本のサンセバスチャンにする計画・・・
以前にもまして、お話を伺うのが楽しく勇気と元気を頂くことができた。

 

楽しい時間はあっという間に過ぎてしまい、終了の時間となった。
予定していたよりも2枚ほど多く植えられたそうだ。

 

後ろ髪を引かれながらの帰り道。

 

せっかくなので、棚田からさらに車で15分ほど登ったところにある、世屋高原の名物・一本桜に寄ってみた。

 

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ちょうど天気も回復してきたところで、丹後の山と海を前にして、しばらくぼーっとしていた。

 

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美しき丹後。
美しい棚田の風景と人々の笑顔は10年前と変わらず、癒された。

 

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名残惜しいが、車に戻り、流れる緑の風景を眺めながら宿への道につく。

 

田植えをしているときは、誰かにならなくていい。

自分に還ることができる。

 

だから、終わった後はみんないい表情になるのだろう。

 

太ももの裏側の筋肉痛を感じながら、そんなことを思った私は、この美しい日本のサンセバスチャンをまた訪れようとも思った。

 

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