大嵜 直人のブログ

別れによって傷ついたココロは、出会いで癒される。私が辿ったそんな物語を「書く」に至るまでの、記録と変遷のブログ。

未来の「あたりまえ」をつくる人たち ~受け継がれる純米富士酢に寄せて

人のご縁シリーズ、今日は京都・丹後の「飯尾醸造」さんのご紹介です。

ホームページはこちらです。

www.iio-jozo.co.jp

 

日本三景の一つ「天橋立」のある京都府宮津市にあるお酢やさん、飯尾醸造さん。

すごいのは、お酢の原材料となるお米をつくることからたずさわり、そのお米を自社の蔵でもろみに仕込み、お酢をつくっている唯一無二の醸造元であることです。

 

そして、そのお米は昭和30年代から地元・宮津でつくられた「無農薬」(減農薬ではありません!)のみを使用しておられます。残留農薬食品添加物、オーガニックといった概念が社会に浸透するはるか以前から、そのような取り組みをされてきています。 

 

 

そんな飯尾醸造さんの代表商品、「純米富士酢」。

 

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万願寺とうがらしを炊いたんにしたり、

 

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鶏もも肉をお酢と醤油、酒、砂糖でやわらか煮にしたり、

 

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手羽元をにんにくとお酢と醤油、酒で煮付けたり、

 

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ポテサラのじゃがいもの下味に少し加えてみたり、本当に料理の味が変わります。

 

そして「紅芋酢」。飯尾醸造さんの蔵人の方たちが毎朝飲んでおられる、必須アミノ酸がたっぷりと入った果実酢です。

 

その他にも木村秋則さんの「奇跡のりんご」100%の「にごり林檎酢」、これだけで美味しい寿司飯がつくれる「富士すし酢」、冬の全ての料理が別次元に美味くなる「富士ゆずぽん酢」など、たくさんの魅力的なお酢を飯尾醸造さんでは販売されておられます。

 

今日の言の葉は、その飯尾醸造さんの5代目当主・飯尾彰浩さんに寄せて。

 

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ありがとうは、有難う。

その反対語は、あたりまえ。

 

いまそこにある奇跡をあたりまえだと思った瞬間に、ありがとうはどこかに霧散する。

 

 

日本海を望む、丹後の美しい棚田。

都会で育った人にも、その風景に「ふるさと」という単語を思い出させるのは、きっと連綿と稲作を続けてきた日本人の無意識に根付く、原書風景だからなのだろう。

 

そこで育つ無農薬のお米を蒸し、麹をつくり、もろみを醸す。

そのもろみに酢酸菌を浸し、静置発酵から熟成まで1年超。

 

無農薬どころか、醸造用アルコールを原材料に加え、人工的にぼこぼこと空気を加えて1日で発酵を終える今の主流とは対極にある、職人の伝統工芸ともいえるお酢づくり。

 

いま、あたりまえに販売されている富士酢は奇跡に満ち溢れている。どれだけの先人たちの叡智と艱難辛苦と情熱に支えられて、その奇跡があるのか、想像力の限りを働かせても足りないように思う。

 

 

その方も、いろんな奇跡を「あたりまえ」にしてきた。

規則の8倍ものお米を使った「富士酢プレミアム」の商品化。

生産者と消費者をつなぐため、田植え・稲刈りの体験会を全国のファンを呼んで開催。

寿司酢を使った手巻き寿司を囲んで笑顔をつくる、テマパの伝道師として。

 

力強さ、論理的思考、推し進めること、切り開くことを男性性と呼ぶなら、私の存じ上げている方の中で最も男性性の強い方の一人だと思う。

あの柔らかな物腰からは、これまた想像もできないのだけれども。

 

いま、私はその方が切り開く未来の「あたりまえ」を楽しみに、応援している。

 

あの美しい棚田に黄金色の稲が頭を垂れる風景を。

真冬の寒い中、汗びっしょりになりながらお米が蒸されるのを。

鼻をつく酢酸の匂いが満ちたあの蔵で、静かに黄金色の液体が時を重ねるのを。

 

そして遠くない未来に、美しい棚田が日本のサン・セバスチャンと呼ばれるようになることを。

 

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2017.5.30

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ビジネスと理念。

それを高い次元で両立させておられることに、飯尾さんの稀有な才能があるのだと私は思います。「力なき正義は無能であり、正義なき力は圧制である」というパスカルの言の葉を想起させられます。

 

志高い理念を持っていたとしても、ビジネスとして成り立たなければ夢想家に過ぎず、またその逆はステークホルダーをあまり幸せにしないビジネスになってしまうのでしょう。

 

私は何度か丹後の田植えや稲刈りや蔵見学にお伺いさせて頂き、飯尾さんからお話をお伺いさせて頂く機会に恵まれました。

 

なぜ効率の悪い棚田で無農薬米をつくるのか。

雑草対策としてマルチ製法を選択する理由。

田植え、稲刈りの体験会を開催する理由。

自社の商品の卸し先について。

 

その他さまざまな質問の全てにビジネスとしての理詰めの戦略と、根底に流れる高い理念をいつも感じていました。そして振り返ってみるに、今の時代になってよく言われることをずっと以前から飯尾醸造さんは淡々と実行してきたのだと思います。

 

目の届く範囲の信頼できる原材料(地元の無農薬米を100%使い、自社でもろみまで仕込む)を使用することで、短絡的な効率を追い求めるよりも「顧客の信用」を築き続けておられますし、

 

世にブログが出始めた頃から、自社の活動をブログでPRしてきていますし、

 

田植え・稲刈り体験会はまさに「口コミ」と「共犯者づくり」という宣伝方法を10年以上も前から実施されておられます。

 

そんな飯尾さんがいま取り組んでおられるのが、2025年に丹後をイタリアのサン・セバスチャンのような美食の街にすること。手始めに地元・宮津にacetoというイタリア語で「お酢」を意味する名のレストランを昨年オープンさせておられます。

 

高い理念に支えられた飯尾さんのビジネスがどんな風な形になっていくのか、味わい深いお酢を楽しみながら応援したいと思います。

 

 

さて今日は小寒。寒の入りとも言われますね。

同じ空の下、飯尾醸造さんでは酢もともろみの仕込みが行われている頃でしょうか。

そんな風景を想像しながら、富士酢を味わうのも楽しいですね。

 

本格的な寒さとなります。

どうぞ、ごゆっくりお過ごしください。