大嵜直人のブログ

文筆家・心理カウンセラー。死別や失恋、挫折といった喪失感から、つながりと安心感を取り戻すお手伝いをしております。

空に浮かぶ満月に、何を見るか。

今日は日中は少し汗ばむ陽気でしたが、夕方からはまた涼しくなりました。

秋らしく空気も澄んでくるようで、空がきれいですね。

週明けに見上げたときには上弦の月でしたから、もう一回り大きくなっていたことでしょう。来週は十五夜ですし、秋の夜に虫の音とともに眺める月はいいですね。

せっかくなので、今日はそんな月のテーマを。


 

満月ラン。

しかも獅子座は私の星座。

小さい頃、なぜ月がどこへ歩いていってもついてくるのか、不思議で仕方がなかった。今でもうまく説明できそうにないけれど、きっとどこかで見守られてるってことなんだろう。

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2017.8.8


 

夏の暑い盛りの夜のランニング中に眺めた満月です。もうあれから二回り近くも月の満ち欠けがしていると思うと、季節の巡りは早いものですね。

 

子どもの頃、親の運転する車に揺られていた記憶を思い出します。

運転していたのは父だったのか、母だったのか、そしてどこへ出かけた帰りだったのか、はっきりとしたことは覚えていませんが、高速道路ではなく下道をけっこう長い時間走って帰ったように覚えています。

けれど眠気にウトウトしながら眺めた月は、鮮明に思い出すことができます。

夜空にぽっかりと浮かぶ美しい満月。

まぶたをこすりながら眺めたその月は、いつまでもいつまでも後部座席の窓から消えずに、私を乗せた車についてきていました。時に雲や背の高い建物に隠れたりしながらも、家に着くまでずっと。なぜか分かりませんが、そのずっとついてくる月に安心感を覚えたことを思い出します。

30年近くの時を経て見上げた満月もまた、同じようにランニングの最中、ずっとついてきました。幼い頃と同じように、私を見守るかのように。

 

同じ満月の風景を見ても、人により感じることは異なります。

見守らていると感じるのか

ずっとついてきてしつこいと感じるのか

まんまるで満たされていると感じるのか

一人寂しそうだと感じるのか

それとも、とくに何も感じないのか

私たちは、自らの心の状態や思考のパターンを外界の人やもの、風景や出来事に投影します。月はただ満ち欠けを繰り返すのみであり、また移動しても同じ位置に見えるのにも、科学的にはその移動距離と、月と地球間の距離の比があまりに大きいことが理由として挙げられるでしょう。

そうした「ただそこにある世界」に感情や意味を貼り付けるのは、私たち人間です。寂しいときには寂しいフィルターで外界を見ますし、満ち足りたときには満ち足りたフィルターをかけて外界を見ます。そのフィルターがいまの私たちの状態や感情です。

この考えを突き詰めていくと、映画「マトリックス」の世界観になるのかもしれません。

 

さて今夜の十日夜の月を見上げて、お客さまはどのような印象を受けるでしょうか。

美しい、雲がかかってくすんだ、もの足りない、満ち足りた、孤独な・・・どんな印象を抱いたとしても、それはお客さまご自身のいま現在を教えてくれるものです。

そうだよね、そんな風に感じるよね。

どんな印象や感情やフィルターも、そっとご自身が同意してあげられたら、また一段と今日という日が輝き出すのかもしれません。

どうぞ、ごゆっくりお過ごしください。