大嵜直人のブログ

文筆家・心理カウンセラー。死別や失恋、挫折といった喪失感から、つながりと安心感を取り戻すお手伝いをしております。

作品と熟成 ~ブラームス ヴァイオンリン・ソナタ第3番ニ短調に寄せて

人が何かの作品と関わるとき、時間という魔法が大きく作用するのだろう。表面上は忘れたように見えたとしても、そのときの情感は重厚なワインのように熟成され、コルクを開けられるのをただ待っている。

名前、その愛された記憶

名前とは私のありのままの存在を肯定してくれるお守りであり、愛された記憶。そして、魂と呼ぶべきものがあるとして、仮にそれが輪廻するとしたら、今生の旅をするためのパスポート。

夏の終わりに。

夏の終わり、ものごとにははじまりとおわりがあり、螺旋であることを実感する、センチメントの季節。そんな夏の終わりが好きです。

横山秀夫「クライマーズ・ハイ」に寄せて。

横山秀夫著「クライマーズ・ハイ」(文春文庫)に寄せて。組織と個人、家族と仕事、プライドと尊敬、友情と嫉妬、執着と手放し、蛮勇と怯懦、諦念と後悔。いつもその狭間でしか生きられない私に、読後になんとも言えない清涼感を与えてくれる。

春分の日の首長竜の話

息子が笑顔で楽しく遊べるなら、それでいいじゃないか。甘やかしたっていい。躾云々って、結局は息子=自分を信頼していないんじゃないのか。

お酒の楽しみ方

お酒が好き、という人は根本的には二つに分かれるように思う。お酒が好きな人と、お酒を飲むことが好きな人。

故郷の夏祭り。

いつからか、私は無色透明な人になりたかったのかもしれない。自立した個になるためにいろんなものを切って捨て、喜びも悲しみも少なく、好かれも嫌われもしたくない。